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ハッピーリッチコラム バックナンバー

『マクロ経済スライド、4年ぶり2度目の発動 これで年金制度は大丈夫?』
    ~自分の老後は自分で備えよう~
2019/01/22

私的年金をつくろう 『ハッピーリッチ・アカデミー』第310号

こんにちは!
明るく前向きに自分の財産を築いていこうと頑張るみなさんに、ハッピーな人生を送るための情報を提供する「ハッピーリッチ・アカデミー」管理人の川瀬です。

今回は「年金」についてです。自分の老後は自分で備える時代になりましたね。

 
■マクロ経済スライド、4年ぶり2度目の発動

年金ほど高齢世代と若年世代で関心度が異なるものはないでしょう。
高齢世代にとって年金は生活の糧です。当然その動向にはとても関心が高いのですが、一方で若年世代の多くは日本の年金制度をあまり信頼していません。

さて、そんな年金に関して、高齢世代にとっても若年世代にとっても影響のある興味深い記事がありました。

<年金抑制、4年ぶり実施 19年度0.1%増に、将来不安なお>
(2019年1月19日付 朝日新聞)
『厚生労働省は18日、2019年度の公的年金の支給額を0.1%引き上げると発表した。年金額を抑える「マクロ経済スライド」が4年ぶりに実施されるため、支給額の伸びは物価や賃金の伸びより低く抑えられる。実施は2004年に制度を導入してから2回目になる。少子高齢化の中で将来の年金水準を維持するというスライドの機能は十分働いていない。』

マクロ経済スライドが2015年以来、4年ぶりに発動されることになりました。
マクロ経済スライドとは、少子高齢化の下でも年金制度を維持するために、経済動向に合わせて実質的に年金水準を下げていく仕組みですね。
具体的には、年金支給額の上昇を物価や賃金の上昇率以下に抑えていきます。今回で言うと、平均賃金上昇率は0.6%だったのですが、年金支給額の伸びは0.1%に留めるということで、実質的に水準を下げた、ということになります。

ただ、こんなレベルの見直しで本当に年金制度が維持できるのでしょうか?

 
■高齢者への配慮で拡大する世代間格差

2004年に年金制度を維持するために「年金制度改革」が決まりました。
柱は2つ。
ひとつはこの「マクロ経済スライド」。支給水準の引き下げですね。
もうひとつは、「厚生年金保険料の引き上げ」。2004年に13.934%だった保険料率が毎年0.354%ずつ2017年までじわじわと上がっていきました。今は18.3%になっています。

現役世代が負担する厚生年金保険料の引き上げは計画通り毎年実施されてきました(あまりにも「じわじわ」なので気づいていなかった人もいたかもしれません)。
しかし、一方のマクロ経済スライドは、導入されてから15年間で発動されたのは2015年の1回だけ。今回が2回目です。

なぜかというとマクロ経済スライドには「名目下限措置」というルールがあるからです。これは、年金の名目支給額は前年度を下回らないようにするというものです。言葉通り、「マクロ経済の動向に応じてスライド」するのなら、物価や賃金が下がってしまった「デフレ」の時には支給額は減額されるべきなのですがそれはなされないのです。今回のように物価や賃金が上がった時にだけ上昇幅を抑制しているからです。
この15年間、日本はほぼデフレでしたからね。2回しか「マクロ経済スライド」しなかったわけです。
物価がずっと下がっていたのに年金額は下がらなかったわけです。つまり、「この15年間、年金受給者は年金を貰いすぎていた」と言われてもおかしくない状態だったわけです。

背景には年金受給者への配慮があるのでしょう。
この「マクロ経済スライド」は、導入当時には野党から「年金改悪法案」と言われ、「弱者切り捨て」「格差助長」「高齢者から年金を奪うひどい制度」と猛烈に批判されました。マスコミも「自動年金カット装置」などと呼んでいました。実際に年金額が減額でもされようものなら高齢世代が猛反発するだろうことは想像に難くないですね。

しかし、この配慮が結果的に年金制度の調整期間を後ろ倒しにしています。
報道によると、『2004年当時の計画ではマクロスライドによる抑制は23年で終わるはずだった。だが2014年時点では終了予定は2043年まで延びている。現役世代の負担が増えていることを意味する。』としています。

現役世代の負担だけが増しているわけなので、「世代間格差」が広がっているともいえる状態です。

 
■先細りする将来世代に財源を求める構図

「世代間格差」を縮めて年金制度を持続可能なものにするためにも、名目下限措置はやめるべきだと個人的には思いますが、今の政治体制では難しいでしょうね。消費税ですらあれだけ高齢世代に配慮するわけですから。

この「現役世代~将来世代に負担をツケ回す」のは財政と同じ構図ですね。
経済対策だ、社会保険対策だと財政を拡大し、毎年、税収をはるかに上回る歳出をしていますが、その穴を埋めているのは国債です。つまり将来世代への借金ですね。
国債を出して経済規模を拡大したり、社会基盤を整備したりするのは昔からの手法ですが、昔はよかったわけです。この先に人口が増えて、経済成長が見込まれていましたからね。
しかし、この先は違います。将来的にずっと人口が減っていくのは明らかで、経済は成熟し成長しにくくなっています。基本は先細りする社会なわけで、先細りする将来世代から財源を借りてくるというのは・・・、どうなんでしょうね。

年金も同じ文脈で語られます。年金が制度設計された頃は、高齢者1人を10人以上の現役が支えていたのが、今は高齢者1人を2人の現役が支えています。これで制度が持つわけはありません。
だから、年金制度を維持しようと思ったら、「支給額を減らす」+「受給年齢を遅くする」+「保険料を上げる」をすべてやる必要があるわけです。だから「支給額を減らす→マクロ経済スライド」なのですが、これが全然進んでいないという話なのです。

 
■年金は賦課方式。積み立て方式は自分でやるしかない

当然、私たち50代は今の受給世代がもらっている額はもらえません。そして、今の20~30代の世代は私たち50代よりも受給額はもっと少なくなるでしょう。20代以下では払った額の半分くらいしか年金はもらえないという試算もあります。

であれば、不足分は自分たちで備えるしかありません。
今の年金制度は、自分が払った年金保険料を積み立てて自分がもらう「積み立て方式」ではありません。現役世代が支払った保険料をその時の高齢世代の年金に充てる「賦課方式」です。
この賦課方式では、少子高齢化で保険料を払う現役世代が減って、年金をもらう高齢者が増え続ければ年金財政は厳しくなるのは当たり前です。
だから、個人個人が「積み立て方式」で備えるべきなのです。

積立預金や個人年金保険などもありますが、一番良いと思うのは「確定拠出年金」です。
毎月一定額を積み立てして、投資信託などで運用し、60歳以降にその運用積立金を受け取る「積立型の年金制度」です。
税制上の大きなメリットがあります。
積立拠出金は所得から控除されますし、運用益も非課税です。受け取る時にも税制優遇が受けられます。
かつては企業年金制度でしたが、今は個人でもできます。これが「iDeCo(個人型確定拠出年金)」ですね。
詳しくはこちら→「厚生労働省iDeCoの概要」

デメリットは60歳まで使えないということですが、老後の備えなのだから使えないくらいの方がいいでしょう。また運用を自分で指図するのは失敗したら怖いという人もいますが、公的年金は半分くらいしかもらえないのです。どんな失敗をしても積立運用で半分になることはまずないでしょう。

税制を優遇しているということは、国としても推奨しているということです。
国も公的年金制度で国民の老後の生活を保証できなくなっている以上、国民が自分たちで老後の準備をしてもらうことを勧めているわけです。

老後の備えは老後になってからではどうしようもありません。「自分たちの生活は自分たちで何とかする」という気持ちでいた方がいいでしょうね。

今回は以上です。

 
【編集後記】 「稀勢の里、お疲れさまでした」
大相撲横綱の稀勢の里が引退しましたね。とても好きなお相撲さんだったのでとても残念です。怪我に泣かされましたね。横綱になってからずっと満身創痍という雰囲気でした。ぜひ志を継ぐ強い後進を育ててください。お疲れさまでした。