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ハッピーリッチコラム バックナンバー

第300号『最低賃金、3年連続引上げ、私たちに求められることとは?』
    賃上げは不可避、そして政府・行政にお願いしたいこと~
2018/09/04

私的年金をつくろう 『ハッピーリッチ・アカデミー』第300号

こんにちは!
明るく前向きに自分の財産を築いていこうと頑張るみなさんに、ハッピーな人生を送るための情報を提供する「ハッピーリッチ・アカデミー」管理人の川瀬です

 
■最低賃金引上げ、心配される「副作用」とは?

最低賃金が3年連続で上がるようです。働き手にとっては良いことですが、企業には大変なことでもありますね。

<生産性問う最低賃金  3年連続3%増、賃上げへ企業に宿題>
(2018年7月26日付 日本経済新聞)
『企業が従業員に支払わなければならない最低賃金が3.1%引き上げられることが決まった。深刻になる人手不足を背景に、3年連続で約3%の上昇となる。ただ欧米の主要国との差は依然として大きく、今後も上昇は続く見通しだ。賃上げを迫られる企業は人件費を吸収するため、生産性の向上を急ぐ必要がある。』

最低賃金とは、「働く人には少なくともこれだけは支払わなければならない」という賃金水準のことですね。
この最低賃金は記事にあるように、毎年上昇しています。今年2018年度は、時間あたり3%、金額にして26円上がる見通しになりました。時給にすると平均で874円になります。

これで3年連続の上昇ですが、過去2年の25円を上回る26円の上昇は近年最大の上げ幅です。
この最低賃金の上昇スピードに対して、記事は、『最低賃金の上がり方が急なため副作用の心配もある。』としています。

さて、どんな副作用があるのでしょう?
また、なぜ政府は最低賃金の上昇を急いでいるのでしょう?

 
■政府の意図とは?

最終的に最低賃金を決めるのは各都道府県ですが、指針を出しているのは厚生労働省です。ですから、そこには政府の意向が強く反映されています。

最低賃金を引き上げる理屈としては、まず労働市場の動向がありますね。
今の日本は、有効求人倍率は全国平均で1.6倍程度、失業率は2%前半という、「人手不足」の状態です。企業にとって働き手の確保は最重要経営課題になっています。働き手としても自分の労働力を高く提供できるタイミングであるということです。

この先もずっと続くとみられる人口減少にともなう労働力不足に対して、政府は外国人労働者をもっと増やそうとしています。しかし、記事にあるように今の日本の最低賃金水準は世界的に見劣りしています。
アメリカやドイツ、フランスなどではすでに1,000円を超えています。この水準では外国人労働者を呼び込もうとしても来てくれませんね。欧米先進国に追いつくためには毎年25~26円程度の上昇ではむしろ遅すぎるくらいなのです。

 
■企業は生産性を上げないといけない

最低賃金の引き上げなどの「賃上げムード」は働き手にはもちろん良いことです。家計収入が増えれば暮らし向きは良くなるし、消費も増えるでしょう。そして物価が緩やかに上昇していけば、景気も安定してくる、ということでしょう。

「副作用」が懸念されるのは企業側です。
政府は産業界に対して、今年は3%の賃上げを要請しています。企業の稼ぎを従業員に還元するのは悪いことではありません。良い人材を確保する上でも3%程度の賃上げは対応すべき話ではありますし、業績の良い会社であれば十分対応できる水準だと思います。

問題は、業績の良くない企業です。
最低賃金水準の人材を雇用している企業といえば、大半は中小・零細企業です。主に、飲食や小売りなどのサービス業や、下請け製造業などです。好景気の波に乗り切れていない中小・零細企業にとって人件費の高騰は死活問題です。中には世の中のこういった動きに対応できず、経営が続けられなくなる企業が出てくることも懸念されます。

しかしこのような「副作用」も政府は「やむなし」としているようです。
「産業界の新陳代謝を促す」ということを、政府は以前から明らかにしています。つまり、賃上げにも対応できないような生産性の低い低収益のままの企業は市場から退出してもらう、ということでしょう。
確かに、人件費の負担が重くなって逆に雇用を減らさざるを得ない企業や、最低賃金すら支払うことのできない企業は、従業員の雇用維持も新たな採用もできなくなるわけですから、早晩、淘汰されることになるでしょう。

すべての企業はサービスや商品の付加価値を高めて、生産性を向上させて競争力を高めないといけません。そうして上がった収益を従業員への賃金やさらなる投資に振り向け続けなければなりません。労働人口が減少していく中、そういう企業しか生き残っていけない時代なのです。

確かにそれが正論ですね。でも・・・。

 
■政府・行政にお願いしたいこと

記事によると、『17年度の改定では、最低賃金を下回った労働者は全体の4.9%で、従業員30人未満の小規模の企業では11.8%を占めた。』そうです。
中小企業の1割以上が最低賃金すら維持できていません。こういう企業が淘汰の憂き目にあってしまうのでしょう。

政府・行政にお願いしたいこともあります。
まず、最低賃金を守らない企業はしっかり取り締まっていただきたい。「ブラック企業」と呼ばれるような企業こそ退出させるべきです。
あと、頑張って付加価値を上げられても、その分を価格に転嫁をさせてもらえない下請企業は少なくありません。下請企業への不当かつ過度な値引き要求などへの監視もしっかりお願いしたいところです。

あとは企業も従業員も頑張らないといけませんね。
構造不況業種であれば業態を転換するなり、新商品・新サービスを開発するなりしなければなりません。
経営は革新を続けなければなりませんし、現場は生産性を高める努力をしなければなりません。

付加価値を上げるとともに業務を効率的に行うこと。つまり生産性を上げること。
働き方改革も同じことです。最終的にはそこに行きつきますね。頑張りましょう。

今回は以上です。
次回もお楽しみに。

 
【編集後記】 「300号、ありがとうございます!」
今回で300号です。こんなに長く書くことになるとは思いませんでした。隔週に3,000文字程度の時事関連コラムを書く、という緩い設定で2006年10月から始めました。ですから丸12年です。39歳だった私は51歳になりました。当時、創業したばかりだった会社は2年前に東証マザースに上場できました。毎回、「ネタがない、もうやめたい」と(今も)思っていますが、この「ハッピーリッチ・アカデミー」のお陰で私はずいぶん成長させてもらったと感謝しています。これだけネットニュースが多様化する中、メルマガ形式の個人コラムなど時代に合わなくなっているとも思いますが、まだあと少し続けていきたいと思っています。どうぞ引き続きよろしくお願い申し上げます。