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ハッピーリッチコラム バックナンバー

第299号『高齢者の負担感が強いから消費が増えない?』
    高齢世代の暮らしは負担感でいっぱい?私たちはどう備えたらよいのか?~
2018/08/21

私的年金をつくろう 『ハッピーリッチ・アカデミー』第299号

こんにちは!
明るく前向きに自分の財産を築いていこうと頑張るみなさんに、ハッピーな人生を送るための情報を提供する「ハッピーリッチ・アカデミー」管理人の川瀬です

 
■高齢者の物価の「体感」は重い

この記事自体は、「そりゃそうでしょうね」というある意味当たり前のことが書かれているわけですが、私たち現役世代に対して、「あなたたちの老後の暮らしはこうなるのだよ」というメッセージを伝えてくれているということでしょうかね。

<物価の「体感」は高齢者ほど重く 上昇率、39歳以下の1.5倍 年金目減りで消費慎重>
(2018年8月17日付 日本経済新聞)
『高齢者は若年層よりも物価上昇に伴う負担感が大きくなっている―。ニッセイ基礎研究所が、年代別に支出品目などを調べて各世代別の物価上昇率を分析したところ、2014年からの4年間で60歳以上では39歳以下の1.5倍となった。一方で年金支給額は伸びにくい。物価の上昇幅は日銀が掲げる年2%の目標にはほど遠いものの、世代別の負担感の違いが鮮明になってきた。』

政府は景気回復に向けて「安定的な2%ほどの物価上昇」という「マイルドインフレ」を目指しています。しかし、いまだ物価は1%にも満たない程度の上昇なので引き続き金融緩和政策が取られているわけですが、高齢者になるほどインフレの負担感は高い、という話です。

世帯主の年齢ごとの支出品目とそれに対する支出額から、各年代別の物価上昇率を出すと、2014年~2017年の4年間の物価上昇率は、39歳以下の世代が3.7%だったのに対して、60歳代以上の世代は5.5%にもなったとのこと。高齢世代の負担感は若い世代の1.5倍ということらしいです。

 
■高齢者は収入が増えないのに支出を減らせないから負担感が強い

60歳以上の世代にとって負担感が増している主な支出品目は、「生鮮食品」、「住宅修繕費」、「通信料」の3つ。
一般的に高齢になるほど家計収入は落ちます。収入が落ちても減らせない支出がこの3つですね。
特に、生鮮食品は、天候不順の影響もあって、今年だけでもかなり値上がりしていますよね。この4年間で18%も上昇しているそうです。
また、住宅も年齢とともに老朽化しますから高齢世帯ほど修繕費がかさむのはよくわかります。

一方、収入については、若い世代は雇用環境の改善や賃金増などで所得は増えていますが、年金を主な収入源として暮らす高齢世代はあまり景気回復の恩恵を受けられません。

記事はこう書きます。

『高齢者の主な収入である年金は伸びが鈍い。16年度の平均支給額厚生年金は月額で約14万8,000円、国民年金は同約5万5,000円とともに横ばいが続く。物価を加味した実質では、この数年は減少基調だ。第一生命経済研究所の星野卓也氏によると年金の実質給付額は12年を100とすると18年は94程度で「年金の実質的な目減りが進んでいる」という。』

『目減りが進んでいるという。』とご存じなかったように書かれていますが、これはすでに年金制度が「物価上昇率ほどは年金支給額を上げない」という「マクロ経済スライド」という仕組みになっていますので、「物価を加味した実質支給額が目減りする」のは当たり前です。そういう仕組みですからね。(日経の記者さんであれば当然にわかっていることだと思います)

そして記事はこのように続きます。

『年金などの月々の収入だけでなく、保有資産も減少していることも消費を冷え込ませている。
金融広報中央委員会の調査によると、世帯主が60代の金融資産保有額(2人以上の世帯)は17年調査で601万円(中央値)と12年に比べて2割以上減った。』
『景気回復や人手不足を背景に働く高齢者は増えている。総務省の就業構造基本調査によると、17年の仕事に就いている人の割合は65~69歳が45.5%、70~74歳が29.0%とともに1971年以来の高い水準だ。だが非正規雇用も多く、年金受給に頼る世帯が多い状況に大きな変化もない。』

この記事を要約すると、
・物価上昇で高齢世代の負担感は若い世代よりも高まっている。
・高齢者は、食費や住居費、通信費などの支出が減らせないから。
・若い人は収入が増えているが、年金収入は物価上昇ほどは増えていない。
・金融資産も減っている。
・だから働く高齢者が増えている。でも非正規。

ということです。
「そりゃ当然そうでしょうね」と思います。年金だけで暮らすなかで物価が上昇したら収入は目減りします。でも食費などの基礎的支出は減らせないから負担感は増すでしょう。家計が厳しくなれば、金融資産を取り崩したり働きに出たりするのも、それはそうなるでしょうね。

だから、私たち現役世代も備えておかないといけないなとは思いますね。いずれ必ずこうなるのですから。

 
■私たちへの警告、「もっと備えよ」

おそらくですがこの状況は今のお年寄りよりも、将来お年寄りになる今の現役世代の方が今よりもっと厳しくなると思います。年金支給額は今よりもっと抑制されるでしょうからね。だからやはり備えておかねばならないのです。

まず、蓄えが必要です。老後になって収入が減ったら、現役時代に形成した資産を取り崩しながら暮らすことになりますから、資産は多く蓄えがあった方がいいに決まっています。資産形成には時間がかかりますから、早いうちからの取り組みが大事ですね。

年金対策としては、今流行りの「確定拠出年金」はやった方がいいと思います。積立金は所得から控除されますし、運用益にも課税されません。税金をかけないということは政府が推奨しているということです。「年金はそんなに無いから自分で備えてね」というメッセージです。

そして、長く働くのが当たり前になります。「人生100年時代」などと言われていますので、長い老後を制度として破綻しかけている年金だけで過ごそうとする計画には無理があります。高齢になっても働けることが大事です。だから、いつまでも働ける健康な身体とできるだけ専門的なスキル、そして高い意欲を備えることですね。

 
■高齢者の負担感が強いから消費が増えず、物価も上がらない?

それにしてもこの記事の意図はいったいなんだったのでしょうね?
私たち現役世代に対する警告としてはありがたく受け止めますが、このように書かれると・・・

『内閣府は「身の回り品の価格上昇が60歳以上世帯の消費心理を下押ししている」と指摘する。』
『家計調査などによると、60歳以上の消費額は日本全体の5割程度を占める。実質収入は減るのに物価が上がる環境で、高齢者は消費に慎重になっている可能性がある。』

高齢者の負担感が強いから消費が増えず、物価も上がらない、ということでしょうか。
つまり、「これ以上の物価上昇は高齢者に負担をかけるので金融緩和をやめましょう」、もしくは「もっと高齢者に予算を回しましょう」とでも言いたいのかなとも思ってしまいます。

実際そういう動きはあります。消費増税対策の一つとして、低所得の高齢者への生活支援として最大で月5千円(年6万円)を給付することが決まっていますが、これをもっと前倒ししようという動きです。

<低年金者給付、前倒し浮上>
(2018年8月16日付 日本経済新聞)
『2019年10月に予定する消費増税対策の一つとして、政府内で低所得の高齢者への影響を抑える対策が焦点になってきた。低所得の年金生活者に最大で月5千円(年6万円)を給付する新制度について、実際の支給が増税時に間に合うよう制度開始を2カ月程度前倒しする案が浮上。』

支給だけで5,600億円の財源が必要で、前倒し支給でさらに1,000億円の追加です。

こういうことをどう考えたらいいのでしょうね。
「資産が減っている」とは言いますが、それでも保有する資産は若い世代よりもはるかに多いです。また、食費などの基礎的支出は減らせないとする一方で、シニア向けの旅行や観劇ツアーなどの「コト消費」と呼ばれる選択的支出も増えている、というようなこともよく見聞きします。

若い人は賃金上がっているからいい、でも高齢者は年金が上がらないから政府が支給する・・・?
個人的には、将来もっと厳しくなる今の子供たちに対してもっと予算を使ってもらいたいな、と思います。

今回は以上です。
次回もお楽しみに。

 
【編集後記】 「私ももうすぐ高齢世代」
「私たち現役世代」などと言っていますが、すみません、私この8月で51歳になりまして、どちらかというともう高齢世代の方の近いですね。備えるにはもうあまり時間がありませんが、せめて元気に長く働けるように身体くらいは鍛えます。できるだけ。