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ハッピーリッチコラム バックナンバー

第265号『失業率2.8%、22年ぶりの低水準』
    ~持続的な経済成長への2つの課題とは何か?~
2017/04/04

私的年金をつくろう 『ハッピーリッチ・アカデミー』第265号

こんにちは!
明るく前向きに自分の財産を築いていこうと頑張るみなさんに、
ハッピーな人生を送るための情報を提供する「ハッピーリッチ・アカデミー」管理人の川瀬です。

今回は景気の良い話です。
文字通りの意味ですが。

 
■失業率、22年ぶりの低水準
 

失業率が低下しています。これは私たち日本経済の何よりの成果だと思います。

<失業率22年ぶり低水準 2月2.8%>
(2017年3月31日付 日本経済新聞)
『雇用が一段と改善している。
総務省が31日発表した2月の完全失業率は2.8%と前月に比べ0.2ポイント低下した。
1994年6月の2.8%以来22年8カ月ぶりの低水準。
同日発表の有効求人倍率は1.43倍と前月と同じだが、四半世紀ぶりの高さだ。
運輸、製造業など幅広い業種で人手不足が続いている。』

失業率が3%を下回りました。
この水準は一般的に「完全雇用の状態」と言われます。
つまり、働く意欲を持つ人のすべて雇われていて、もうこれ以上は失業率が下がりにくいとされる水準です。

記事によると、失業者は188万人(前年同月比25万人減)。
一方、就業者は6,427万人。
女性や高齢者を中心に前年同月比51万人の増加です。
生産年齢人口の15~64歳の男性就業者が8万人減少する一方で、
女性が33万人増、65歳以上の男性が26万人増。
差し引き51万人増加したということです。

 
■国が経済成長を目指すのは「失業を無くすため」
 

ここ近年で失業率がもっとも悪かったのはリーマンショックの翌年の2009年。
5.1%まで悪化しました。
それが景気回復とともに改善してきて、2014年には4%を切って3.6%、2015年 3.4%、2016年 3.2%、そして2017年に入り、ついに3%を切ってきました。
それでも、現政権に批判的な野党やマスコミは、景気回復を認めたくないのかもしれませんが、
「失業率が改善していると言っても、雇用は増えたのは非正規ばかり。賃金も上がっていない。」
とこれまでずっと批判してきたのは皆さんもご承知の通り。
しかし同記事によると、非正規社員は15カ月ぶりに減少に転じて10万人減りました。
賃金も上がってきています。

景気が回復してきても企業の行動は慎重ですから、
まずは残業を増やし、次は非正規を増やし、
それでも追いつかなくなると人材確保のために正社員を増やし、賃金を上げる、
こういう順序になるし、時間もかかるのは当たり前のことです。
ようやく、日本企業の多くは人材を確保するために正社員を好待遇で採用するようになってきたのです。

そもそも、国が経済成長を目指す理由のひとつは、「失業問題をなくすため」です。
所得のない国民が多くいることは国として大きな問題です。
国の税収が減って、福祉などの支出が増えるわけですからね。
経済学的にいうと、失業とは「労働の需要(仕事)」<「労働の供給(働き手)」の時に発生します。
もし仮に労働市場が完全に機能していれば、需給バランスは均衡に向かうはずで、
賃金が下がりいずれ均衡して、「需要」=「供給」になるはずです。
その場合には失業は発生しませんね。
しかし、労働市場ではモノの価格のように需給による調整は完全には起きません。
なぜなら、賃金を下げることに対する社会的抵抗感は非常に強いからです。
労働組合は抵抗しますし、国の制度として生活を守るための最低賃金というものもあります。
この賃金の下がりにくい性格のことを「賃金の下方硬直性」といいます。

つまり、失業問題を解消するためには、労働需要を増やすしかないのです。
そのためには景気を良くしてGDPを増やすしかありません。
だから、労働需要(仕事)が増えて失業率が低下している今の状態は経済的に非常に成果が出ていると言えるのです。

 
■課題は2つ 「人手不足」と「弱い消費」
 

しかし、まだまだ手離しで喜べる状態ではありません。
いつまた元通りになるかわからない、という危うい状態でもあります。

ひとつは、人手不足です。
失業率が完全雇用の状態になっているということは、
労働者側から見ると歓迎すべきことでも、産業側から見ると深刻です。
言うまでもなく人手不足は経済成長の足かせになります。

労働需給がひっ迫している要因は、
この働き手がどんどん減っている中で経済状況が好転していることです。
日本の生産年齢人口(15~64歳)は2017年2月時点で7,620万人。
この20年間で約1,000万人も減少しました。
そして生産年齢人口は今後もさらに減少していきます。
労働者一人当たりの生産性の向上が追い付いていかないと経済成長はこの先停滞することになります。

もうひとつは消費が増えていないことです。
消費はGDPの6割を占めます。消費が増加しないとGDPは増えません。
消費拡大に伴って産業側が生産やサービスを増やすことでGDPの増加を見込むことができます。
しかし、少子高齢化が急速に進む日本で消費を増やすことは簡単ではありません。
家計資産の7割は世帯主が50歳以上のシニア世帯に偏在しています。
シニア世帯は、マイホーム世代であり子育て世代である30代40代の世帯に比べて消費意欲が低く、
また日本の財政状態が良くないこともあって、老後の福祉や年金に対しての将来不安もあります。
消費は増えないし、物価も上がらない。
これではいつまたデフレに戻るかもわからない状態だと言えるでしょう。

失業率の低下~人手不足が消費の拡大、
物価上昇に波及していく経済の好循環はまだまだ道半ばです。

 
■大事なのは「明るい未来への期待」
 

日本経済が最も避けなければならないのはデフレへの逆戻りです。
デフレは、不況で物価が下がること、
そしてこの先も物価は下がっていくだろうと世の中の多くが予想している状態ですね。
「今日より明日の方が物価は安くなるのだから今は買うのをやめようと多くの人が考える。
お金は使うよりもため込んでおいた方がいい。
企業も投資をしても見込み通り売上を回収できない可能性が高いからどこもお金を借りない。
企業業績は落ち込み、賃金は下がり、雇用は悪化して、ますます消費が落ち込む。
失業者が増えて不況が本格化する。」
・・・というのがデフレスパイラルですね。
これがちょっと前まで日本で起きていたことです。

政府が目指しているのは物価上昇率2%程度のマイルドなインフレです。
「今日よりも明日の物価の方が高くなると多くの人が考える。
お金を貯め込んでいると相対的価値が下がっていくのですから消費したり、人に貸したりする方がいい。
消費が増えて売上が見込めるなら企業は借入してでも投資をする。
企業業績が良くなり、賃金が上がり、雇用情勢が良くなる。失業者が減り、ますます消費が増える。」
・・・これがマイルドインフレによる経済が活性化している状態です。

このように「将来、物価が上がる」と多くの人に期待させることで総需要を増やそうとするのが、
著名なポール・クルーグマン教授が提唱した「調整インフレ」ですね。
日本ではインフレターゲット論などと呼ばれていますが、
これをここ数年、日銀はずっとやっているわけです。
日銀の黒田総裁が「この先、2%のインフレを実現する。
それまで金融緩和を続ける!」と宣言しています。
そして、世の中の多くが「インフレが起こる」と信じさせることが出来れば、
皆が「今のうちに消費しよう、投資しよう」となって総需要を増やすことが出来る、ということです。

しかし、元々、財政が悪い状態で高齢化社会を迎え、節約意識が支配する中で、
今はまだ国民の多くがインフレを信じていないし、実感もしていません。
この潮目がもしからしたら今、変わりつつあるのかもしれません。
「需要」>「供給」となり、失業率が低下して人手不足が起きてきました。
ヤマト運輸がドライバーの不足からサービスの見直しや配送料の値上げを検討しています。
都市圏のパート・アルバイトの平均時給は1,000円を超えてきました。
企業が人件費増加分を商品やサービス料金へ適正に上乗せできれば業績が良くなるので、
さらに従業員の賃金は上昇します。
そのうち「賃上げが持続するかも」という期待が、物価水準の持続的な上昇を意味することになります。
これはインフレターゲット論と同じ効果をもたらすと思います。
いわば、常に「消費増税の駆け込み需要の緩い版」が起きているような状態が作られるわけですからね。

景気が良くなり失業率が下がり、いよいよ好循環に入るかもしれない状況になったのは、決して政府支出を増やしてバラマキをやったお陰ではなく、デフレ懸念が後退したこと、そしてインフレ期待が現実味を帯びるところまできたからだと思います。

やはり大事なことは、国民に「日本の将来は明るい」と思わせることですよね。

今回は以上です。
次回もお楽しみに。

【編集後記】 「新入社員の季節」
桜満開のニュースとともに、街には新入社員があふれています。
春は初々しさとともにやってきますね。
私が新入社員だったのはもう四半世紀以上も前になりますが、
自分の明るい未来をイメージしながら入社式に向かったのを今も懐かしく思い出します。
新入社員の皆さん、共に私たちの未来を明るいものにしていきましょうね!