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ハッピーリッチコラム バックナンバー

第241号『消費税、延期か?増税か?』
    ~それぞれの主張を整理してみる~
2016/04/12

私的年金をつくろう 『ハッピーリッチ・アカデミー』第241号

こんにちは!
明るく前向きに自分の財産を築いていこうと頑張るみなさんに、ハッピーな人生を送るための情報を提供する「ハッピーリッチ・アカデミー」管理人の川瀬です。

さて、消費税です。予定通り来年増税は実施されるのでしょうか?
 

■増税延期論の主張は?

 

2017年4月に予定されている消費税の8%から10%への増税を、「延期するか」、それとも「予定通り実施するか」の議論が活発になってきていますね。

 

さて、「延期」と「予定通り実施」、安倍首相はどちらの判断をするのかはわかりませんが、ひとまずそれぞれの主張を整理してみたいと思います。

 

まず、「延期」論から。

『議連の山本幸三会長は会合で「消費は底割れした。リーマン・ショック以来の出来事で、増税どころか減税すべきだとも読める状況だ」と強調。嶋中雄二・三菱UFJモルガン・スタンレー証券景気循環研究所長は「公共投資を含めた財政拡大を真剣に考えるべきだ」と主張。出席者から景気の底上げのために増税の再延期や大規模な公共投資を求める声も出た。』(2016年4月7日付 日本経済新聞)

 

まず、延期論の人たちの認識は「今は景気が本格回復するかどうかのはざまにある」ということ。デフレから完全に脱却できないのは主に消費が弱いから。長引くデフレから日本経済を救い出すには、景気が力強くなってインフレ率が上昇するようになるまでは消費意欲を締め付けないようにすることが重要。だから需要を抑制する効果のある消費増税はやるべきではない。今、増税したら需要が落ち込んで日本経済は壊滅的になる・・・、という感じだと思います。

 

■増税実施論の主張は?

 

次に「増税実施」論です。

『今回先送りすれば、引き上げのタイミングがない(野田毅氏)。
・社会保障の充実は消費税率10%が前提(丹羽雄哉氏)
・先送りすればアベノミクスの失敗と言われる(村上誠一郎氏)』

(同 日本経済新聞)

 

増税実施論の人たちは、やはり財政再建を重視しています。1,000兆円を超える借金を抱えた状態でさらに高齢化が進む中で、膨らみ続ける社会保障財源を今後どう確保していくのか?・・・という極めて真っ当な「そもそも」論を展開しています。

 

そして、「消費税増税」は、それを言い出しただけで選挙に負けてしまうくらい日本国民には抵抗があるテーマです。それが、折角苦労して法案まで通った状態で増税することが決まっているのに、なぜわざわざ廃案にしてまで延期しないといけないのか?じゃあ、延期したら次はいつ誰が責任をもって増税するのか?という話です。野田毅議員の「今回先送りすれば、引き上げのタイミングがない。」というのが政治家の皆さんの一番のホンネではないでしょうか。

 

■論点は「いつやるのか?」

 

延期論者、増税実施論者ともに、「高齢化する日本では介護、医療、年金のために、10%を超える水準まで消費税率を上げる必要がある。」ということではほぼ認識は一致しています。

 

ただ、「それは今なのかどうか?」という所で意見が分かれているのです。

 

延期論は、「経済が弱っている状態で増税することは自滅的。消費増税は経済が過熱するくらい良い時に、景気抑制のブレーキとして使うべきもの。」という考えです。

そして財政にとっても良くない、としています。増税して需要を落ち込ませると景気が減退してしまう。すると、政府は景気刺激のための財政支出を拡大せざるを得なくなり、結果的に財政赤字はさらに膨らむことになるからです。確かに「失われた20年」の間、日本はこれを幾度となく繰り返してきました。

 

一方、増税実施論は、「これまでずっと景気が回復したら、といって先送りしてきた。それは一体いつなんだ?」とタイミングを見計らうこと自体がナンセンスだとしています。

 

「そもそも国民が消費をせずに貯め込んでしまうのは将来が不安だから。消費税は高齢化社会に備えて社会保障に充てられる目的税。将来の安心をもたらすのだからむしろ消費は増えるはず。」という「増税→消費拡大論」さえあります。

 

■延期論が高まる気配…

 

「消費増税したら国民が安心して消費が増える」というのはさすがに短期的には起きない変化だと思います。そもそも年金・社会保障財源は全然足りていないわけなので、増税しても年金が増えるわけでも、社会保険負担が減るわけでもありませんからね。

 

客観的に今の情勢を見ていると、この1か月くらいで「延期論」が強まってくるのではないかと思います。

 

先日の日銀短観では景気先行き見通しが厳しいという報告が出て株価にも影響を与えました。

さらに心配なのは円高です。輸出企業の想定レートは117円くらいと言われていますので、現在の為替レートの水準では大きなマイナスを計上することになります。この先、輸出関連企業の業績の下方修正が相次ぐでしょう。今の株価の低迷はそれが大きな要因です。

円安をもたらす期待インフレ率も高まらない今、円高ドル安の基調は当面止まらないのではないかという予測もあります。

 

5月中旬には2016年1~3月期の国内総生産(GDP)速報値が出ます。この結果も恐らくあまり良くないでしょう。そうしてこの先、株価がさらに下がったら「増税どころではない」という世論がますます強まっていくと思います。

 

7月には参院選があります。今のままではちょっと自民党に厳しい結果になってしまうかもしれません。

 

民進党は、「延期はアベノミクスの失敗を意味する」と言っています。増税したらしたで消費が落ち込むでしょうから「アベノミクスはやっぱり失敗」というでしょうね。

 

経済状況を見て、ということになるでしょうが、5月下旬の伊勢志摩サミットの前後には、安倍首相は増税について何らかの意思決定をするのではないかと思います。

 

さて、どうなるでしょうね。

 

今回は以上です。

次回もお楽しみに!

 

【編集後記】 「G7外相会合が広島で開催されたこと」

G7主要7か国の外相会合が昨日広島で開かれましたね。これは本当に良かったと思います。

アメリカのケリー国務長官は「広島市の平和公園と原爆資料館を訪れる初の国務長官となったことを誇りに思います」とツィート。イギリスのハモンド外相は原爆資料館で芳名帳に署名するとともに、「ここは重要な場所で心を動かされる。展示物は、争いを平和的に解決する義務や、戦争が一般市民に与える計り知れない影響を痛感させる。核兵器がなく、紛争が対話と妥協によって解決される世界のために共に一層の努力をしよう」と書いたそうです。

日本人にとってのみならず世界中の人々にとって意義のある日になったのではないかと思います。