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ハッピーリッチコラム バックナンバー

第231号 『企業は最高益、GDPはマイナス成長 今の日本って景気がいいのか?悪いのか?』
    ~日本は海外からどう見られているか?~
2015/11/24

私的年金をつくろう 『ハッピーリッチ・アカデミー』第231号

こんにちは!
明るく前向きに自分の財産を築いていこうと頑張るみなさんに、
ハッピーな人生を送るための情報を提供する「ハッピーリッチ・アカデミー」管理人の川瀬です。

今回は「景気」についてです。
これからの日本経済はどうなるのでしょうね。

 

■企業業績は好調

 

日経新聞などを見ていると、連日日本の景気が良くなっているような報道に目が行きます。

<上場企業、6割が増益 4~9月>
(2015年10月31日付 日本経済新聞)
『上場企業の業績改善が続いている。
30日までに2015年4~9月期(上期)決算を発表した主要企業のうち、約6割の経常利益が前年同期に比べて増えた。
北米市場の好調や訪日外国人(インバウンド)消費の増加が収益を押し上げた。』

 

上場企業の約3分の1の企業の上半期(4~9月期)の決算が明らかになってきていますが、全体で16%の経常増益だそうです。
通期の見通し(2016年3月期)でも多くの企業が増益を計画していて、中には過去最高益を出す企業もあるとか。

記事では好業績企業の要因をまとめていますが、
(1)対ドルでの円安、(2)北米市場の好調、(3)インバウンド消費、の3つが大きいようです。

そして私たちも肌で実感できるところで言えば、「インバウンド消費」ですね。
明らかに外国人旅行客、多いですよね。
観光庁によると今年1月から累計は10月時点で1500万人を突破、過去最高だった昨年の一年間の実績だった1,341万人を軽く上回るハイスピードです。
おそらく年間では観光庁悲願の2,000万人を突破するのでは、とも見られています。

 

■ところが、GDPは減った!

 

しかし、先日発表されたGDPは2期連続でマイナス成長でした。

<GDP実質年0.8%減 外需落ち込み警戒 >
(2015年11月17日付 日本経済新聞)
『7~9月期のGDP増減率は年率換算で前期比0.8%減。
0.7%減だった4~6月期に続くマイナス成長となった。』

 

2四半期連続ですから、つまりこの上半期は日本経済全体ではマイナス成長だったということです。
「設備投資」(前期比1.3%減)が増えていないのが主たる要因だそうです。

期初の見通しでは「上場企業の設備投資計画は過去最高水準」でした。
それが実際には各企業とも計画通り設備投資をしなかったということになります。

なぜなんでしょう。
記事では、「夏以降は中国景気の不透明感が強まり、(企業は)設備投資計画の実行を先送りしている可能性が高い」(シティグループ証券 村嶋帰一氏)としています。

好況要因が海外(特に中国)なら、懸念要因も海外ということでしょうか。

確かに、中国経済の減速や紛争やテロなどによる欧州の景気減速懸念、アメリカの利上げなど、海外経済には不透明な感じが漂っています。
日本の上期の好況を下支えした円安やインバウンド消費などの流れが変わると日本経済もどうなるかわかりませんね。

 

■ウォールストリートジャーナルの社説では…

 

GDPが2四半期連続でマイナスになると欧米など海外では自動的に「景気後退期に入った」とみなされます。
つまり、海外基準では今の日本は「不景気」ということになります。

「日本のGDPが2期連続でマイナス」という報道を受けて、『ウォールストリートジャーナル』は同日の社説で以下のように日本経済について言及しました。

<Abenomics Sputters in Japan Failure to push structural reform leads to another recession.> (2015年11月17日付 ウォールストリートジャーナル)

邦訳で『アベノミクス、今こそ再考の時』というタイトルがついています。
ちゃんと訳すと、『アベノミクスは日本でくすぶっている。構造的改革推進の失敗が次の景気後退につながる。』という感じでしょうか。

外国人記者が日本をどう見ているか、というのがよくわかる記事です。
(少し長いですが、以下抜粋して引用します)

 

『アベノミクスの「3本の矢」は、財政出動と金融緩和で始まった。
その結果、日本の公的債務残高は年末までに対国内総生産(GDP)比250%に達する勢いだ。
日銀は年間約80兆円規模の国債購入を実施しており、これは米連邦準備制度理事会(FRB)以上に急進的な量的緩和だ。
それでも、銀行各行は融資を増やしておらず、デフレは続いている。

3本目の矢である構造改革が、日本にとって持続的景気拡大の唯一の期待だった。
電力・ガス業界の自由化や移民受け入れの幾分の拡大、環太平洋経済連携協定(TPP)の大筋合意などは構造改革の目玉と言える。
首相はまた、企業統治改革の理念を受け入れ、社外取締役の選定を明記する「コーポレートガバナンス・コード」(企業統治指針)を導入した。

しかし、首相が改革に向けた措置を一歩進めるたびに、片足は日本株式会社の政治経済学に突っ込んだままとなっている。
2014年4月には首相は不本意ながら消費税率を3%引き上げて8%とし、政権発足後初のリセッションに陥った。
最近では、子育て支援や社会保障の充実を打ち出した。
これは政治的には人気があるものの、経済的には効き目がない。

首相はまた、正社員の解雇を難しくして年功序列の賃金体系を促している労働契約法の見直しにも失敗している。
非正規雇用は不完全な一時しのぎに過ぎず、二層式の労働市場の効率の悪さは深刻だ。そのために日本の労働市場の緩みが覆い隠されることにもなっている。
失業率3.4%という公式の数字は労働市場のひっ迫を示唆しているが、最近の雇用拡大はほぼ全てが非正規の雇用者で、総就業時間は減少している。

今日、日本企業の内部留保は約300兆円に達しており、この数字は経営者が利益につながる投資を見出せず、将来についていかに悲観的かを物語っている。
多くの国では株主は、配当もしくは自社株買い戻しという形で、利益につながらない内部留保を株主還元するよう企業に要求する。
しかし、日本の企業経営者たちは株式持合いや緩い企業統治規定のために、こうした圧力から保護されてきた。
従って、日本の経営者は将来の損失に対する保証として現金の保有を好んでいる。

企業は生産の海外移転を継続しているが、それは一部には労働市場規制への埋め合わせの意味合いがある。』

 

言われ放題ですが、本質を突いているところもあります。
だいたい海外からはこう見られていると思っていいと思います。

まとめますとこういうことです。
・構造改革として取ったいくつかの施策も消費増税でかき消された。
・新たに打ち出した「新3本の矢」は経済的に効かない。
・雇用は増えたといっても非正規。
・金融緩和をして円安になり、輸出は増えたがキャッシュは企業の内部に留保されたまま。
・投資しない企業に対するガバナンスも効いていない。

 

■国内投資と国内雇用、そして賃金上昇が大事

 

雇用慣行については異論もあると思いますが、「国内企業が投資をしない限り、雇用も良くならないし、賃金も安定しないし、消費も増えない。」というのはその通りだと思います。
8%への消費税増税が景気回復の芽をつんだというのも「その通りだった」と言わざるを得ない現状です。

実は、上場企業で投資はしているところは結構あるのですがその多くは海外での投資です。
GDPにも国内雇用にも賃金上昇にも反映されません。
日本経済にとっては国内での投資が重要なのです。

「国内投資」と「国内雇用」、そして「賃金の上昇」。
この3つがないといつまでも安定的で緩やかなインフレにはならず、いつでもデフレに逆戻りしかねません。

さて、いよいよ年末です。
税制改正や予算の方向性が見えてくる季節です。
これらの詳細を見ることで政府の方針が見えてきます。
そして、最終的には、「今のままで本当に2017年に消費税を10%に上げるのか?」という話にもなるかもしれませんね。

今回は以上です。
次回もお楽しみに!

 

 

【編集後記】 「出費の季節」
なんか最近予測していなかった出費が増えています。
家を買って15年。色んなものが一気に寿命を迎えています。
まず給湯器が壊れました。次に洗濯機。そして昨日、ついに冷蔵庫までが…。
私、一応FPと称しておりますが、家計の予測がまったく出来ていないことを突き付けられて少々落ち込んでいます。