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ハッピーリッチコラム バックナンバー

第230号 『大転換期を迎えている自動車産業にみる企業のあるべき姿とは?』
    ~企業とは時代に変化に合わせてカタチを変えていく「環境適応業」~
2015/11/09

私的年金をつくろう 『ハッピーリッチ・アカデミー』第230号

こんにちは!
明るく前向きに自分の財産を築いていこうと頑張るみなさんに、ハッピーな人生を送るための情報を提供する「ハッピーリッチ・アカデミー」管理人の川瀬です。

今回は自動車産業についてです。

日本の基幹産業である自動車。大きな産業構造の変化が起きようとしていますね。

 

■トヨタは「エンジン車ゼロ」を目指す

 

先日、トヨタ自動車が2050年までの中長期経営計画を発表しました。
2050年までにガソリンで走るエンジン車をゼロにするそうです。

<トヨタ「2050年、エンジン車ゼロを目標」 燃料電池車などへ移行>
(2015年10月15日付 日本経済新聞)

『トヨタ自動車は14日、2050年までにエンジンだけで走る自動車の販売をほぼゼロにする長期目標を発表した。
ハイブリッド車(HV)や燃料電池車(FCV)の比率を高めて新車の走行時の二酸化炭素(CO2)排出量を10年比9割減らす。
自動車の開発競争の中心がエンジンから電池や制御ソフトなど「電動化技術」に移り産業構造にも影響を与えそうだ。』

 

トヨタは2050年までに世界で販売するほぼすべての車をHVやFCV、家庭用電源で充電できるプラグインハイブリッド車(PHV)、電気自動車(EV)とするそうです。

世界をリードするトヨタの方針ですから、いわばこれからの自動車産業全体の方針と言っても過言ではないでしょう。
しかし、そうなると記事にあるように産業構造にも大きな影響が出るでしょうね。
トヨタ幹部もその影響の大きさを、「エンジン車がなくなるのは、自動車メーカーにとって天変地異」と言っています。

この記事を見たとき、素人の私などは、クルマが電気自動車化していくとなると、「電機メーカーやIT企業にとっては事業機会が拡大するチャンスだけど、エンジン部品メーカーは大丈夫だろうか?」と思ってしまいました。
さて、どうなんでしょうか?

 

■エンジン部品メーカーは大丈夫か?

 

世界に冠たる日本のエンジン部品メーカーは日本の重要な基幹産業のひとつです。
エンジン部品メーカーを検索すると …
デンソー(売上高 4兆3087億円)、アイシン精機(同 2兆9639億円)、トヨタ紡織(同 1兆3055億円)、カルソニックカンセイ(同 9655億円)などなど、錚錚たる企業が出てきます。

例えばデンソー。
元はトヨタの一部門でしたが、1949年にトヨタ自動車から分離独立。
今ではトヨタだけでなく、世界中の自動車メーカーとの取引が拡大していて、デンソーの売上高に占めるトヨタ以外の自動車メーカー向けの売上高比率は5割を超えています。
デンソーの時価総額は約5兆円。日本企業では14位で、パナソニックやキヤノンよりも上です。
デンソーはすでにエンジン部品供給メーカーとして自動車産業にとってなくてはならない存在になっている、「超」がつくほどの優良企業です。

そんなデンソーをはじめとした部品メーカー群が築いてきたエンジン技術がこの先必要なくなってしまうとしたら…、大変なことですよね。
週刊誌などでは「電気自動車の普及で日本の製造業は壊滅する!」というような記事が書かれていたりします。(週刊誌などはいつも衝撃的な書き方をしますけどね)

 

■企業は「環境適応業」

 

でも、こんな素人が心配するまでもないことで、まったく大丈夫なんだと思います。
これまでもトヨタはHVだってFCVだって部品メーカーと戦略を共有して共に創ってきたのです。
今後の方向性だって十分共有されていることでしょう。

デンソーやアイシン精機について調べてみますと、すでに新しい技術に着々と取り組んでいます。
特に自動運転車の動作性能や利便性を高める技術の開発に注力しているようです。

デンソーは「2020年をメドに自動運転の実用化に向けて研究開発に取り組む」(デンソー有馬社長)としています。
アイシンはスマホをリモコン代わりに使って無人で車を駐車したり、運転手が操縦不能になったときに自動で車を路肩に止めたりする技術を紹介しています。
すでにエンジン部品だけでなく、情報通信や安全技術分野に関する技術力を高めていっているのです。

エンジンだってまだまだ技術的進化が必要ですが、エンジンの高性能化とともに環境技術を磨き、自動運転技術などの安全領域にも手を打っていっています。
さすがは世界的優良企業ですね。

しかし、世界的超優良企業であるトヨタやデンソーであっても時代の変化にあわせて自社を変えていかないと生き残れないという危機感を持っているのです。
自社の技術や過去の成功要因に固執していたらあっという間に時代の変化に取り残されてしまうのでしょう。

こういう事例は枚挙に暇がありません。
フイルムにこだわってつぶれたコダックと素早く事業の転換を果たして生き残った富士フイルムなどはその典型的な事例ですね。
同じくレンズ技術で世界を席巻した日本のカメラ各社もデジタル化の流れに押しつぶされた会社と、いち早くデジタル対応した上に、コピー機やIT関連に事業を拡大できた会社で明暗が分かれました。

以前にも書きましたが、イオンはすでに流通業というより金融業、不動産業といってもいい収益構造になっています。
東レは繊維中心のメーカーでしたが、今では繊維以外が9割以上を占めています。
スーツのAOKIはスーツ以外のレジャー売上などが4割を占めており会社を支える存在になっています。

企業は「環境適応業」なのです。
どんなに技術があったしても需要のなくなったものをいつまでも作り続けることは出来ません。
時代の変化や技術革新の波を捉えて、経営環境に適応するために業態を変えるような手を打っていくことが出来るかどうか。
これが企業の価値になってきていることをひしひしと感じます。

 

■さて、住宅・不動産業界は環境適応できるか?

 

トヨタはすでに何度もこういう経験をしています。
そもそも創業期の織機から自動車への転換もものすごい変革でした。
そしてハイブリッドです。最初にHV車を作ろうという方針が出たときには社内からものすごい反対があったそうです。
「世界に誇る優秀なトヨタのエンジンを殺すのか」と。
それでもトヨタは変化へのチャレンジを続けて世界で初めてのHV車「プリウス」を世に出します。
そして今ではHV技術はトヨタを支える根幹になっています。
そして、そのHV技術は「FCVやEVなどに幅広く活用できる。燃料電池で作った電気でモーターを動かすFCVはHVと共有できる部品が多い。」(トヨタ幹部)としています。

技術革新は連鎖していくのです。
過去の成功要因に縛られず、時代の変化に合わせてチャレンジしてくことの強さを感じます。

さて、私の関わっている住宅・不動産業界はどうなるんでしょう。
人口が減り、新築市場は縮小します。お客様の購買力は落ちています。
省エネ性能は向上しなければいけません。情報はあまねく行きわたっています。
大手から中小企業まで、今のままでは生き残れないとみんなが思っています。
手を打っているところはすでに動き出しています。
さて、住宅関連産業ではどんなイノベーションが起きるのでしょうか。楽しみでもありますね。

今回は以上です。
次回もお楽しみに!

 

 

【編集後記】 「絶好調な自動車業界」
とは言うものの目下、日本の自動車業界は絶好調ですね。
この上半期決算も各社とも軒並み好業績でした。北米市場が好調ですからね。
中でも私は営業利益率が他社に比べてダントツに良い富士重工と国内でも増収著しいマツダに注目しています。
マツダのデザインとディーゼルに対するこだわりが好きです。
(乗っているクルマはずっとトヨタですけど。愛知県出身なので。)