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ハッピーリッチコラム バックナンバー

第228号 『総合スーパー、不振の要因とは?』
    ~時代の変化に対応する企業だけが生き残ることができる~
2015/10/13

私的年金をつくろう 『ハッピーリッチ・アカデミー』第228号

こんにちは!
明るく前向きに自分の財産を築いていこうと頑張るみなさんに、ハッピーな人生を送るための情報を提供する「ハッピーリッチ・アカデミー」管理人の川瀬です。
 
 
今回は、小売業における「総合スーパー」についてです。

ダイエー、西友、ユニー、イズミヤ、長崎屋…、総合スーパーはなかなか苦戦が続いています。
 
 
■小売業が好調?

 

「小売業が好調」という記事が目を引きました。

GDPのおよそ6割を占める消費が回復しているとなると経済の成長も期待できるのですが…、実際のところはどうなんでしょうか。

 

<小売り、好決算 3~8月、7割が経常増益>

(2015年10月10日付 日本経済新聞)

『小売企業の好決算が相次いでいる。

9日までに2015年3~8月期決算を発表した主要73社のうち、約7割の50社が経常増益になった。

昨年4月の消費増税に伴う買い控えが一巡したところに、訪日外国人(インバウンド)の大量消費が加わった。

質を高めた商品の投入などで客単価も上昇し、20社が3~8月期として最高の利益を計上した。

ただ客数の減少にはなお歯止めがかからず、国内消費の回復はもたついている。』

 

小売業は2月決算のところが多いので、8月で上期決算の締めになります。

小売業の今上期決算の経常利益は前年同期比で12%も増えたようです。

 

「これは国内景気も回復してきたか!」と思ったらそうではないようです。

好調の要因は「訪日外国人客が増えたこと」だそうです。

 

確かに外国人増えましたよね。

今年の来日外国人は1~8月までですでに1,287万人。

過去最高だった昨年の1,341万人を今年は軽く超えることでしょう。

特に、中国の方の「爆買い」などが連日報道されていましたが、百貨店や専門店はその恩恵を大いに受けたようです。

しかし、中国は景気減速の懸念が高まっています。いつこの風向きが変わるかはわかりません。

 

実際のところ、利益こそ伸びたもののそれは客単価が上がったためであり、全体の客数は増えてはいません。

小売業全体の危機感は依然として強いようです。

 

 

■総合スーパー(GMS)不振の要因は?

 

中でも特に厳しいのが「総合スーパー」です。

イオンもセブン&アイ・ホールディングスもこの上期決算での「総合スーパー部門」は営業赤字でした。

決算資料を見ると、セブン&アイは今後5年間で40店の総合スーパーを閉店するようですし、イオンも子会社化しているダイエーの店舗を業態転換しながら再編していく計画が発表されています。

 

実は日本の「総合スーパー」は、すでに10年以上前からビジネスモデルとしてほぼ終わっています。

 

総合スーパーは「GMS(ゼネラル・マーチャンダイズ・ストア)」とも呼ばれていて、元々はアメリカのビジネスモデルです。

アメリカのウォルマートが代表的な企業ですね。

郊外に大きな店舗を構えて、食料品から衣料品、家電製品や生活用品に至るまで、総合的に商品を大量に仕入れて安い価格で販売します。

低価格帯であり、かつワンストップで買い物を済ませることができる利便性が支持されて、特に高度経済成長期にGMSは急速に発展しました。

 

日本ではダイエーを筆頭に、西友やユニー、イトーヨーカドー、イオン(旧ジャスコ)などが代表的なGMSです。

 

GMSの基本的なビジネスモデルは「食料品で来店頻度を高めて、利益率が高い衣料品や生活用品で稼ぐ」ことでした。

これが2000年代に入った頃からユニクロなどの衣料専門店や家電量販店などが伸びて来たことで、従来GMSの稼ぎ頭だった衣料品や家電の市場が奪われていきました。

集客部門であった食料品においても地域のニーズに合わせた品ぞろえを機動的に工夫する食品専門スーパーに押されていきます。

 

多様化する消費者ニーズの前に「全国一律に大量に仕入れて安く販売する」というGMSモデルは次第に時代に合わないものになっていったわけです。

 

 

■イオンはすでに小売業ではない?

 

業態は時代とともに常に変わり続けます。

例えばイオンです。

先頃発表されたイオンの2016年度上期中間決算の資料を見るとすでにイオンはGMSではないことがわかります。

 

イオンで一番営業利益を稼いでいるのは「金融事業」(営業利益272億円 前期比+69億円)です。

クレジットカードや電子マネーの「WAON」、住宅ローンや消費者ローン、保険販売などの収益ですね。

イオンの金融事業は売上高対営業利益率で15%を超える高収益事業になっています。

 

次が、「不動産開発事業」(営業利益208億円 前期比+26億円)、その次が「テナント事業」(営業利益164億円 前期比+18億円)です。

 

この「金融」「不動産」「テナント」の3事業で全体の営業利益722億円の89%を占めています。

 

かたや「GMS事業」は売上こそ全体の33%にあたる1兆3,709億円を上げているものの営業利益は-87億円(前期比-43億円)と赤字です。

完全にグループ業績の足を引っ張る存在になっていますね。

 

 

■時代の変化とともに変わり続けられる企業だけが生き残る

 

イオンはすでに「不動産を開発して大規模店舗を作り、強い専門店にテナント貸しして、そこへの来店客に対するクレジットカードやローンなどの金融事業で稼ぐ」というビジネスモデルになっています。

 

全国一律、安売り、自前主義などのGMSの成功要因を捨てて生まれ変わろうとしています。

 

GMSという業態は小売業の中ではすでに終わったビジネスモデルです。

今の日本の小売業の動向を見るならGMSや百貨店ばかりではなく、コンビニやアマゾンや楽天などのネット通販市場も見た方が良いでしょうね。

 

時代の変化とともにビジネスの世界は変わっていきます。

今調子がいいとされる業態も常に変化に対応していかなければいつか時代に置き去りにされる存在になってしまうかもしれませんね。

 

今回は以上です。

次回もお楽しみに!

 
 

【編集後記】 「よくやった!ラグビー日本代表」
 

いやー、ラグビー日本代表は素晴らしかったですね。

同じく「世界を驚かす」と言って残念な結果に終わってしまったサッカーとは大違いで、本当に世界が驚きました。

私は冬に大学ラグビーを見る程度の「にわか」ですが、とても感動しました。

この躍進の陰にはものすごい練習量と緻密な戦略があったと聞きます。

日本人として誇りに思います。

胸を張って帰ってきてもらいたいですね。