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ハッピーリッチコラム バックナンバー

第222号 『高齢者に偏重する国会予算、若い世代の声は国政に届かない?』
     ~日本の人口構成が作り出す「シルバー民主主義」とは?~
2015/07/21

私的年金をつくろう 『ハッピーリッチ・アカデミー』第221号

こんにちは!
明るく前向きに自分の財産を築いていこうと頑張るみなさんに、
ハッピーな人生を送るための情報を提供する「ハッピーリッチ・アカデミー」
管理人の川瀬です。

 

今回は若い世代向けの国の政策について考えたいと思います。

 

■なかなか進まない少子化対策

 

今、国会は安保法案などで揺れていますが、個人的に政府に真面目に取り組んでもらいたいのは少子化対策ですね。これからの日本を考える上でものすごく大事だと思います。

 

少子化の問題点は、若い世代が高齢者を支える仕組みになっている日本の社会保障制度が維持できないことや、そもそも経済的なポテンシャルが低下するので国力が落ちることなどが挙げられますね。

 

今のままでは今の子供たちが社会人になったときにとても苦労することになります。税金も社会保険料も今以上に上がらざるを得ないでしょう。若い世代が減って国力が落ちると経済を良くすること自体が大変だから、なかなか給料を上げることも出来ず、生活水準が上がりません。働いても働いても生活が良くならない…。高齢者たちが全部持って行ってしまいます。

 

そんな社会は希望がないですよね。

だから今から歳出を抑えたりして財政再建をしないといけないし、少子化対策もしないといけない。でもこれがなかなか進まないんですよね。

 

■国の予算は高齢者に偏重

 

こういう現状があります。

<予算、高齢者に偏重>

(2015年7月3日付 日本経済新聞)

『子育て支援が手厚い国ほど、出生率も高まる傾向がみられる――。経済協力開発機構(OECD)が子育て支援を中心にした家庭向けの政府支出(2009年時点)を比べたところ、日本は国内総生産(GDP)比で1.0%にとどまり、OECD平均の2.3%を下回った。(中略) 一方で、年金と介護に投じる高齢者向けの支出は日本が10.4%と、OECD平均の7.3%を大きく上回る。高齢化率など人口構成の違いはあるが、若者よりも高齢者に比重を置いていることが分かる。』

 

記事によると、子育て支援の政府支出は日本がGDP比1.0%なのに対して、出生率が「2」を回復したフランスは3.2%、イギリスは3.8%、スウェーデンが3.7%、ドイツが2.1%です。

これら欧州各国は子ども手当や育児休業手当などのほか、託児所など保育施設の充実に多くの予算を投じているそうです。

 

日本には、「産みたくても産めない」「安心して育てられる環境がない」「経済的に自信がない」などの理由で子供が増えない現状があります。

どんな対策が少子化に対して有効なのか、という議論がいつもあります。私は、考えられるもの全部にお金を入れればいいのに、とさえ思います。

子供が多い世帯は所得税を減免したり、補助を出したりすればいい。不妊治療は全額国が負担すればいい。託児所も税金を使ってどんどん整備すればいい。経済的援助だってしたらいい。

 

もし、日本が子育て支援支出をOECD平均並みにGDP比で2%程度にしたとすると、あとプラスで5.5兆円くらい予算が使えることになります。今、毎年生まれる新生児は100万人くらいですから、ひとりあたり約550万円使える計算になりますね。これだけあるとかなりのことが出来ます。

 

少子化対策のいいところは、これが経済対策にもなるということです。子供が一人増えると、確実に消費は増えていくはずですからね。そしていずれは納税負担者になってくれます。ひとり550万円以上の経済効果は絶対にあるでしょう。

 

■高齢者に偏重せざるを得ない日本の人口構成

 

そんなことはみんなわかっているし、政府だって「全部やればいいじゃん」と言いたいところでしょうが、それが出来ないのは「予算がないから」ですね。財政収支は恒常的に赤字で借金は増え続けています。今でも予算はカツカツで、歳出を増やすどころか歳出削減が急務です。では、その歳出削減はどこからするか?

それは、新聞記事にあるようにOECD平均を大きく上回っている「高齢者向け支出」を抑えるくらいしかない、つまるところ社会保障費負担を減らすしかない、となりますね。

今、政府が進めてようとしているように、高齢者の社会保障の自己負担分を増やしたり、マクロ経済スライドなど年金を抑える仕組みを発動したり、年金支給開始年齢を遅らせたりするなど、全世代で痛みを分かち合わないといけなくなるわけです。

 

でも、これは簡単なことではありません。こんなことをガンガンやろうものならものすごい批判が出ます。

「社会保障費を削減します!」なんて言って選挙に出たら確実に負けますね。社会保障だけでなく、高齢者世代に厳しい政策はまず進みません。なぜなら日本の人口構造がすでに高齢社会化しているからですね。

 

平成23年時点での日本の人口構成は以下の通りです。(構成比)

年代 人口(万人) 構成比
10代以下  2,257 17.9%
20代 1,317 10.4%
30代 1,744 13.8%
40代 1,699 13.4%
50代 1,579 12.5%
60代 1,839 14.5%
70代以上 2,181 17.3%
合計 1億2,616

 

これに前回の衆議院選挙の世代別の投票率をかけてみますと…

(平成26年12月14日 第47回衆議院議員総選挙)

 

年代 人口 × 投票率 = 投票者数 構成比
20代 1,317万人×32.58% = 429万人 7.8%
30代 1,744万人×42.09% = 734万人 13.3%
40代 1,699万人×49.98% = 849万人 15.4%
50代 1,579万人×60.07% = 949万人 17.2%
60代 1,839万人×68.28% = 1,256万人 22.8%
70代以上 2,181万人×59.46% = 1,297万人 23.5%

 

合計すると60代以上で投票者全体の46%を占めています。20~30代はわずか21%。

こういう数字を見るまでもないですが、60代以上のシニア世代を意識した政策にしないと選挙には勝てないことがわかりますね。これが「シルバー民主主義」と言われる所以です。

 

■若い世代もシニア世代も意識を変えないといけない

 

少子化対策などなかなか若年世代~現役子育て世代に向けた政策に予算を回すことは難しいのはわかります。でもこれからの日本の担う世代の意見がもっと反映されるような仕組みは作らないといけないですね。

間もなく18歳から選挙権を与えることになります。18歳19歳で240万人います。ネット選挙も解禁になります。若い人がまず意識を変えて、声を国政に届けることでしょうね。「政治には期待していない」とか「投票する人がいない」と嘆くのではなく、まず投票に行って、若い世代の投票数を増やすことです。そのうちに、若い世代の声は無視できないと国政が認識すればそういう議員さんも出てくるでしょう。20代の投票率が70%くらいになれば国の政策も変わってくるでしょうね。

 

あと、シニア世代の方が意識を変えることも大事だと思います。自分たちのことだけでなく自分の子や孫の世代の日本のことも考えないといけないですね。

私も間もなく50代。10年後にはシニア世代の仲間入りです。もし次世代のためにシニア世代に痛み求めるような政策を誠実に訴える候補者が出てきたら…、ここまで偉そうに言っている以上、投票するでしょうね。

 

今回は以上です。

次回もお楽しみに!

 

【編集後記】 「夏が来た」

 

私、8月生まれでして、子供の頃から夏が大好きです。「梅雨明け宣言」を耳にすると今でもテンションが上がります。ただ、最近の夏は暑さも雨も暴力的なまでのパワーを持っていますね。子供のように無邪気に外に出歩いたりすると危険だったりします。皆さんも十分にご注意の上、良い夏をお過ごしください。