-すべてのメニューが無料で利用できますセミナーのご案内セミナー参加者の声-
会員登録する ログイン
ハッピーリッチコラム バックナンバー

第218号 『相続は二次相続の方が大変?』
     ~二次相続の落とし穴とは?~
2015/05/26

私的年金をつくろう 『ハッピーリッチ・アカデミー』第218号

こんにちは!
明るく前向きに自分の財産を築いていこうと頑張るみなさんに、
ハッピーな人生を送るための情報を提供する「ハッピーリッチ・アカデミー」
管理人の川瀬です。

 

今回は「二次相続」です。
お父さんの時の相続よりもお母さんの時の相続の方が大変になることがあります。
あなたの相続、準備は大丈夫ですか?

 

■二次相続は怖い…

二次相続って怖いな、と感じた話をご紹介します。
二次相続というは2回目の相続のことですね。お父さんの相続の時が一次相続でお母さんの時が二次相続です。実はこの一次相続と二次相続は相続税の計算上大きな違いがあるのです。

先日の住宅相談の時のお話しです。今、お母様(80歳)がおひとりで住んでいる都内の実家の建て替えのご相談でした。相談者のAさん(52歳)は20年前に購入した23区内の中古のマンションに奥様と2人で住んでいます。もう自分の娘も巣立ったし、一人で暮らしている高齢のお母さんも心配なので、ちょっと勤務先からは遠くなるけど、実家を建て替えてお母さんと一緒に住もうかどうしようか迷っているということでした。

自宅を建て替えるとした場合に、お母様とAさんのどちらがどれくらいの建て替え費用を負担するかという話になりました。いずれお母様がお亡くなりになられた時の相続のことも考えておいた方がいいですからね。

そこで相続の話になりました。5年前にAさんのお父様の相続がありました。その際に、実家はお母様が引き継がれたので土地も建物もお母様名義になっています。

Aさんは、「父親の時には相続税はかからなかった。だから大丈夫だと思うけど…、二次相続についてはまだ何も考えていない。」ということでした。

そこで、財産状況などをお聞きしてざっくりと相続税を計算してみました。もし今、お母さんが亡くなられて相続が起きたとして課税される相続税は…

Aさんはその金額を見て、「えー!」とびっくりです。

なぜこんなことが起きるのでしょうか?
これ、実は二次相続によくある落とし穴なんです。

 

■一次相続の時にはなぜ相続税がゼロだったのか?

5年前の相続の時のお父さんの遺産額はおおよそ以下のような内訳でした。

<一次相続:Aさんのお父さんの遺産>
・現金 :5,000万円
・自宅 :5,000万円(←ほぼ土地の評価額のみ)
・その他不動産(現在遊休地) :1億円
以上合計2億円です。

税理士さんに勧められるがままに使える優遇制度を全部使いました。
まず、自宅は相続税評価額が下がります。
これは「小規模宅地の評価減の特例」という制度です。

簡単に言うと、「100坪以下くらいの自宅に引き続き住む人がその自宅を相続する場合には評価を80%減らします」というものです。

Aさんの自宅の土地は当時の路線価で計算するとざっと5,000万円。
もしこの自宅をAさんが相続すると、Aさんは都内のマンションに自宅を構えていますので継続居住とみなされず、自宅の課税評価額は5,000万円のままです。
しかし、継続してその自宅に住むお母さんが相続したので小規模宅地の評価減の特例が使えました。自宅は80%評価減の1,000万円で評価されました。

次に、配偶者税額控除も有効に使いました。
相続税の配偶者控除とは、「配偶者は相続した財産が法定相続分以内なら非課税、また、もし法定相続分を越えて相続したとしても、その財産額が1億6,000万円以下なら非課税になる」という優遇措置です。

Aさんの一次相続のケースの法定相続人は、お母さん(1/2)とAさん(1/2)です。
自宅が1,000万円程度の評価なので、あと、現金の5,000万円+遊休地の1億円、全部合わせて相続税課税評価額は、1億6,000万円でした。

1億6,000万円なら、全部お母さんが相続しても配偶者税額控除の範囲内です。
結果、相続税はゼロになりました。

この一次相続の時に、もしAさんが法定相続分通りに1/2の財産を相続していたとすると、Aさんはこの時点でおよそ700万円の相続税を払わないといけませんでした。それならゼロになる方を選びますよね。

税理士さんから「自宅の評価減の特例と配偶者税額控除を使えば相続税はかかりませんよ」と言われて「ほっとした」そうです。お父様の財産を全てお母様が相続したことで一次相続は問題なく済ませることが出来たというわけです。

 

■二次相続の落とし穴とは?

ところが、次に起きるであろう二次相続は一次相続とは全然違います。
大きく以下の3点が注意点です。

1) 相続税が上がっていること
2015年4月から相続税の基礎控除が減り、実質的に相続税が増税になっています。
さらに相続人も1人分減ります。

・5年前の1回目の時の基礎控除
5,000万円+1,000万円×2人(お母さんとAさん)=7,000万円
・次の2回目の時の基礎控除
3,000万円+600万円×1人(Aさん)=3,600万円

次の時には、非課税枠が3,600万円までしかありません。
3,600万円を超える部分には相続税がかかってきます。

2)配偶者控除が使えないこと
1回目に相続税がゼロになった大きな理由であるお母様の配偶者控除が、当然のことながら2回目のお母様の相続では使えません。

3)条件次第で自宅の評価減も使えないこと
現時点ではAさんは別に自宅を持っています。
お母様が住んでいる自宅の継続居住が認められない可能性があります。
その場合の自宅の評価は、80%評価減の1,000万円ではなく、路線価100%評価の5,000万円になります。

今のお母様の資産はざっと次の通りです。
お父様から相続した現金5,000万円はこれからもお母様の生活費になりますので、それほど相続する分は残らないだろうとうことです。
そうすると、Aさんが相続するのは、

<二次相続:Aさんのお母さんの遺産>
・現金 :数百万円?
・自宅 :5,000万円(←土地評価額)
・その他不動産(現在遊休地) :1億円
以上合計 1億5,000万円です。

これで計算すると、Aさんの相続税はなんと…

2,860万円です。

これが、Aさんが「えー!」となった相続税額です。
ちょっと普通のサラリーマンが払える金額ではありませんね。

 

■相続は二次相続の方が大変

どうしましょう…、となったので取り得る策をいくつか一緒に考えました。
Aさんがマンションを売却するなりして、実家に戻って「自宅」とすることが一つです。また自宅が古くなっているなら建て替えてもいいですが、その費用は出来るだけお母さんにも出してもらえるだけ出してもらった方がいいかもしれません。お母さんの遺産が現金から自宅になることで相続税額が減る効果が期待できますからね。

問題は1億円もする遊休不動産です。これだけでも相続税は1,000万円以上かかってきます。遊休地の何らかの有効利用を考えた方が良いかもしれません。

Aさんは、まだお母様がお元気なこのタイミングで気付いて良かったと仰っていました。
もし、お母さんの相続が急に起きたりしたら大変なことになるところでした、と。

「相続は二次相続の方が大変」。このことを肝に銘じて、一次相続の前の段階で、最終的な二次相続まで見据えて、遺産の分配をどうするかをよく考えおくことが大事だと思います。
皆さまもどうぞご注意を。

今回は以上です。
次回もお楽しみに!

 

【編集後記】 「議員さんの資産公開、というどうでもいいニュース」

衆議院議員さんの資産公開がありました。平均資産額は3,463万円だそうです。
最高は鳩山邦夫議員で30億円だとか。一人で平均を上げていますね。また資産ゼロの議員が35人もいたとか。
それにしても、どうでもいいニュースです。普通預金は計算に入っていないそうですから全然本当の保有資産額の情報ではありませんしね。
ホントに資産がゼロだとしたら問題ですよ。国家予算を考える前に自分の資産を何とかした方がいいですね。