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ハッピーリッチコラム バックナンバー

第206号 『個人金融資産の8割を保有する高齢世帯のサイフのひもを緩めるには?』
     ~「生活改善リフォーム」で高齢世帯の消費マインドを刺激しよう!~
2014/12/09

私的年金をつくろう 『ハッピーリッチ・アカデミー』第206号

こんにちは!
明るく前向きに自分の財産を築いていこうと頑張るみなさんに、
ハッピーな人生を送るための情報を提供する「ハッピーリッチ・アカデミー」
管理人の川瀬です。

今回はシニア世帯の消費についてです。

■シニア世代の「余剰貯蓄」をどう消費に回すか?

景気停滞の要因のひとつとして「消費が増えない」ことがあります。今、日本の個人金融資産は約1,600兆円あると言われています。この1,600兆円の1%が消費に回って市場に出てくるだけで16兆円です。安倍政権が昨年行った経済対策費約10兆円を軽く上回ります。

この個人金融資産は誰が保有しているでしょう?
総務省統計局の家計調査によりますと、個人金融資産のおよそ8割は50代以上の世帯が保有しています。

現在、年金を主たる生計としている世帯の純貯蓄額の平均は2,143万円だそうです。この金額は年間の平均貯蓄取り崩し額(約63万円)の約34年分にもなりますから、すでに高齢世帯は平均的にみると、余生を送るのに十分な貯蓄水準を確保していると言えます。
また、旭化成ホームズの2013年の調査では、相続時の保有財産の平均額は4,743万円だそうです。
(土地建物などの不動産の平均相続額が約3,000万円、現預金の平均相続額は約1,700万円、合計で 相続財産の平均が約4,700万円)
金融資産だけでも約1,700万円をお墓に持っていく計算ですね。

一方、30代~40代の現役給与世代はローンや教育費用がかさむ世代であり、金融資産はわずかしかありません。現役世代は今も所得のほとんどを消費に回しているのですから、この世代の消費マインドをいくら刺激しても劇的に消費が増えることはありません。

つまり、景気を良くするために消費を増やしたいなら「シニア世代の消費マインドを掘り起こす」しかないわけです。

■金融緩和をしてもシニアの消費は動かない

アベノミクスではお金を世の中に回すために金融緩和政策を取っているわけですが、これは高齢世帯の消費活性化にはまったく効きません。

世界的にみても高齢化の進展により金融政策は効果がないことがはっきりしてきています。

『2013年9月に国際通貨基金(IMF)が人口動態と金融政策の関係性に関する研究論文を発表した。結果として「世界的な高齢化の進展により金融政策の効果が弱まった」との見方が裏付けられたという。
その理由としてIMFは、「高齢の貯蓄生活者は若者に比べて借金が少ないため、金利の変動によるインパクトを受けにくい」としている。』
(ファイナンシャルタイムズより)

特に日本では4月からの消費税増税と円安による物価上昇で、高齢世帯の消費マインドを冷やしています。年金受給世帯の皆さんにとってみればもらっている年金はほぼ定額ですからインフレ(物価上昇)は実質的な所得の目減りになります。アベノミクスでの金融緩和は主に企業向けであり、個人の、とりわけシニア世代の消費に結びつかないのはしょうがないことなのです。

■「欲しいものがない」シニア世代の消費マインドとは?

今のシニア世代の皆さんは、勤労して貯蓄をすることが「よし」とされてきた世代です。そうそう簡単にはお金を使いません。
私の両親(父78歳と母74歳)も質素な生活をしています。「何か欲しいものある?」「何かしたいことある?」と聞いても、「ない」と言われます。
そもそも高齢世帯にはもうそれほど欲しいものがないのです。せいぜいたまに旅行に行く程度であって、積極的に新しい家電製品を買ったり、クルマを買い替えたりはしません。
また、将来的な介護に対する警戒心も強く、先行きどうなるかわからない中で今お金を使ってしまったらミジメになるかもしれないと思っています。だから世の中の高齢世帯の皆さんは、虎の子の貯蓄に手を付けることなく、結果として平均1,700万円近い金融資産を保有したまま亡くなるのです。

ただ、ひとくくりに高齢世帯といっても実は大きな格差があります。格差の大きさを表す「ジニ係数」で見ると現役世代よりも高齢・年金世代の方が実は格差は大きいのです。同じ年金世帯でも働いている人と年金だけの人がいますし、公的年金の給付額の格差も大きなものがあります。
高齢世帯は、経済的な余裕が大きい世帯が存在する一方で、貯蓄を取り崩しながら生活すること自体が困難な世帯も少なくないのです。

■シニア世代の「生活改善支出」に所得税減税を

そうなりますとターゲットは、「経済的に余裕のあるシニア世代」ということになります。
この層の将来不安、とりわけ介護の不安が軽減されるような生活改善のための支出が、将来的な負担を減らすような形で提示されれば良いのではないでしょうか。

この世帯が保有する一番大きな資産、つまり「古くなった自宅」のリフォームや建て替えに関して「減税」してあげればいいと思います。

例えば、「60歳以上の方が自宅を500万円以上かけてリフォーム、または建て替えをした場合、残りの人生は所得税を納めなくていい。」としたらどうでしょうか。
多くの方がお金を使うのではないでしょうか。

多くの高齢者は古くて、広くて、寒い家に住んでいます。
古い自宅は生活に不便なことが多いし、何より断熱性能が低いので今の季節はとてつもなく寒い。家の中が寒いと「ヒートショック」(寒暖差による健康被害)の恐れもあります。
ヒートショックが原因で亡くなる方は年間14,000人以上いると言われています。これは交通事故で亡くなる方の約2倍です。亡くならないまでもヒートショックによる心不全や脳卒中などがきっかけで介護状態になることもあります。寒い家の断熱性能を上げるようなリフォームをすれば、ヒートショックが減り、介護費用も減るかもしれません。

年金世帯の所得税を減税したとしても金額は高が知れています。
例えば年金だけの収入で月20万、年間240万円の所得の高齢世帯の所得税は年間7万円くらいです。もし20年間そのリフォームした家に暮らしたとしても減税総額は20年で170万円くらいです。
それでも消費者心理として「この先ずっと所得税を払わなくてもいい」というのは、十分背中を押す効果にはなると思います。

現役給与世代が住宅ローンを組んで新たに家を買いますと、「住宅ローン減税」という所得税控除が受けられますが、これはその「住宅ローン減税」と同じような効果があります。
いわば「シニア版住宅減税」ですね。

新築はこれからそれほど増えないと思いますが、リフォームはこれからです。特に断熱性能の低い住宅に住む高齢世帯の断熱リフォームは、膨大な潜在市場があると言われています。

あとは高齢世帯の消費マインドを少し刺激してあげるだけです。
もともと寒くて不便な家に我慢して住んでいる皆さんはリフォームや建て替えをしたいのですから。

少しの財源の政策で、高齢世帯の生活が改善されて、医療介護費も軽減されて、消費が増えることで景気も良くなるかもしれません。政府税調の皆さん、「シニア版住宅減税」、是非ご一考を。

今回は以上です。
もっと日本がよくなりますように。

【編集後記】 「シニアのリフォーム、大流行りの兆し」
今回の「シニアの所得税減税」は経営コンサルタントの大前研一さんが昔から提言されていることです。
今、断熱性能を高めるような生活改善リフォームを提供する会社が増えてきました。
(例:生活改善リフォーム ハウス・イン・ハウス )
これはニーズが高いと思いますし、ヒートショックによる寝たきり防止にも効果があります。急に寒くなった今、話題にするにはいいタイミングだと思いますよ~。