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ハッピーリッチコラム バックナンバー

第98号 『「ゼロ成長でもいいじゃないか」で僕たちはホントにいいのか?』
    ~反成長論を考える~
2010/08/03

私的年金をつくろう 『ハッピーリッチ・アカデミー』第98号

こんにちは!
明るく前向きに自分の財産を築いていこうと頑張るみなさんに、ハッピーな人生
を送るための情報を提供する「ハッピーリッチ・アカデミー」管理人の川瀬です。

今回は「経済成長を目指さない」ということについて考えてみたいと思います。

『「ゼロ成長でもいいじゃないか」で僕たちはホントにいいのか?』
   ~反成長論を考える~

先日、「反成長論者」で有名なフランスの経済学者「セルジュ・ラトゥーシュさん
来日」の記事が目に止まりました。

彼はこう語っていました。
「私が成長に反対するのは、いくら経済が成長しても人々を幸せにしないからだ。
成長のための成長が目的化され、無駄な消費が強いられている。つつましくも幸福
な社会を目指すべきだ。」
(朝日新聞7月30日付より)

「もう経済は十分成熟したんだからもうゼロ成長でもいいじゃないか」という
「反成長」の考え方を昨今よく見聞きしますね。経済成長より心の豊かさを求め
ようというような話です。

「確かに、不況だし、頑張っても報われないような気がするし・・・。それに経済成長していた小泉政権の頃だって給料は増えなかったし、格差が広がったじゃないか。」

こんな感じで社会全体が疲れている今、「もういいんじゃない?」と言われて、なんとなくゆるくても生きていける社会があるのならば、「それもいいかも・・・」という気持ちになってもおかしくない。


そういう気持ちは誰しもあることでしょう。

もちろんそういう考え方があっても良いとは思います。
でも、国全体、社会全体が、「共通認識を持ってそっちを目指していこう」と
なると・・・ちょっとどうなんだろうかと思います。

ゼロ成長でも持続可能な「つつましくも幸福な社会」って具体的にはどのように
成立するのでしょう?

■今の日本の状況は?

今の日本の状況を整理してみましょう。
今の日本は不景気ですね。実質ほとんどゼロ成長ですし、デフレ(=物価が下がり
続けている状態)ですね。

供給が需要を上回っている状態、つまりモノを生産しても売れない「需給のデフレ
ギャップ」が起きています。今の日本、このデフレギャップがなんと35兆円くらい
あるらしいですね。

国の供給力というのは、労働力や生産設備や技術などの総体のことです。
これがフル稼働して生み出すことが可能な総生産額のことを「潜在的GDP」と言います。

不況で有効な需要が生産力より小さくなる、つまり、目いっぱい製品を作っても
売れない状態になると、工場やお店がフル操業しなくなったりして労働力が余り、
失業が増えます。

今は、デフレギャップがある状態ですからせっかくの労働力が活かされていません。
つまり全体として労働の対価である給料所得が下がっています。給料が下がるとモノ
が売れにくくなって、ギャップが拡大して、さらに消費者心理をも冷やし・・・、

結果として景気がどんどん悪化する、これが「デフレスパイラル」であり、今の
日本経済はこうならないように抜け出そうとしている状況ですね。

■ゼロ成長で増える失業をどうするのか?

これは反ゼロ成長論でよく言われることですが、
問題は「世の中は放っておいてもある程度は効率的になっていく」ということです。
生産能力などの潜在的な供給力はテクノロジーの進歩などで年々上がっていきます。

ざっくり言いますと、仮にGDPの潜在的成長率が2%のときに実際の経済成長がゼロ
の場合には年間2%ずつ失業が増えるということになります。ゼロ成長が続く社会
では年々失業者は増加してくことになります。そして失業者の増加によって税収が
増えないのに社会保障費などの財政負担は増えていきます。

そして、今もそうですが、失業は「社会的弱者」と呼ばれる人たちから影響を
受けます。
2%供給力が余剰になった場合、普通の企業はどうするでしょうか?
現実的には全従業員の給料を一律に2%が下げることはあまりなくて、2%の人を
解雇するか、新規採用を2%減らすでしょう。
その犠牲になるのは、おそらく、若い人だったり、年配者だったり、女性だったり
するのでしょう。

社会的な格差はもっと広がっていくのではないでしょうか。

■国も個人も会社も、成長を目指さなくなったら、その先は同じ!?

GDPに頼らない豊かさは確かにあるとは思います。でも基本的には1人当たりの
GDPが伸びない限り、私たちの生活が良くなることは絶対にあり得ません。

そもそも経済成長が原因で格差が広がることはありません。
成長しているのに格差が広がるのは、それは分配の問題です。

「成長しなくていい」というのは「貧しくても文句を言うな。生活レベルが上がら
なくても我慢しろ。」ということと同じです。
もうすでに豊かな富裕層の人や役人さんなどの国に守られているような人たちは
ゼロ成長だろうがデフレだろうが関係ないでしょうが、現役世代の私たちやこれ
からの社会を担う子どもたちがゼロ成長を目指したら大変な貧困社会になってし
まいます。

これは国も会社も個人も同じではないでしょうか。

私たち庶民は、「ゼロ成長はあくまでも不況の結果であって、決して目指すべき
指標ではない」ということを肝に銘ずるべきと思います。

頑張りすぎは良くないですし、心の豊かさは大事。それは当たり前のこと。
でもそれと「経済成長を目指さないということ」は全く別物です。
私たちは惑わされず、真面目に働かなくていけない、と思うのです。

今回は以上です。次回もお楽しみに!

【編集後記】 「超・超高齢化社会到来!?」

東京で最高齢111歳の男性が実は30年前に亡くなっていた、という事件がありま
したね。
年金の不正受給が疑われているようです。

社会の貧困化が進み、親の年金収入をあてにして暮らす世帯が増えて、「これか
ら日本は130歳とか150歳とか超高齢者が増えるだろう」というような冗談は以前
からよくありました。でも実際にこういうことが起きるとは驚きですね。

日本の戸籍制度の根幹を揺るがす事件と思います。
いずれ中国みたいに日本も「人口10億人!」とかなったりして。
もうどの国からも信用してもらえませんね。