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ハッピーリッチコラム バックナンバー

第92号 『地域密着産業の生き残る道とは?』
    ~情報の非対称性を克服するキーワードとは?~
2010/05/11

私的年金をつくろう 『ハッピーリッチ・アカデミー』第92号

こんにちは!
明るく前向きに自分の財産を築いていこうと頑張るみなさんに、ハッピーな人生
を送るための情報を提供する「ハッピーリッチ・アカデミー」管理人の川瀬です。

今回は、「地元で真面目に仕事をしてきた企業こそが認められる時代が到来・・・
かも?」という話です。

『地域密着産業の生き残る道とは?』
 ~情報の非対称性を克服するキーワードとは?~

■「この住宅会社は信用できますか?」

私が担当している「住宅・不動産・リフォーム」といった業界は、今最も厳しい
業界のひとつです。
またよくテレビや雑誌、インターネットなどで、「これが悪徳不動産会社の手口
だ!」とか「欠陥住宅のひどい実態!」というような刺激的なタイトルの情報を
見ることがあります。

その影響か、「住宅ローンセミナー」や「住宅購入相談会」などの場面で、私たち
も住宅購入希望のエンドユーザーの皆さんからよくこんな質問をいただきます。

・「この地域で信頼できる会社はどこでしょうか?」
・「この工務店は大丈夫でしょうか?」
・「この不動産会社の言っている○○っていうのは本当でしょうか?」

もともと住宅・不動産は一生に何度も買うものではありません。
そして建築や法律、税金や市況など専門的な知識がないと売買の判断ができない
ことも多く、どうしてもエンドユーザーよりも業者の方が持っている情報量が多くなります。だからエンドユーザーは業者が信用できなくなるような情報に触れると急に不安になってしまうのです。



■「情報の非対称性」の弊害

こういう状態にある市場のことを、経済学的には、「『情報の非対称性』が大きい
市場」と言います。
『情報の非対称性』とは、売り手と買い手の間で、持っている情報量に格差がある
状態のことを言います。
例えば、住宅・不動産市場の他に、金融市場や保険市場などのように専門的な知識
が必要な業界や、中古車市場やネット通販・オークションのように情報が隠される
可能性がある業界などでも情報の非対称性が起きやすい市場です。

『情報の非対称性』の大きい市場ではどんなことが起きるのでしょうか?

市場の『情報の非対称性』がそのまま大きくなっていくとその市場は効率が悪く
なっていきます。
情報の非対称性がある市場では、エンドユーザーは常に不安な状態に置かれること
になり、「騙されているのでないか?」「この業者は本当に大丈夫だろうか?」
などと疑心暗鬼になることが自然と多くなります。

こうなると売り手にとっても買い手にとっても良い結果にはなりません。
つまりどちらも損をするのです。

■情報の非対称性がある市場:中古車ディーラーのケース

情報の非対称性を説明するのによく使われる例は「中古車市場」です。
(1)中古車市場では、ディーラーはその車の状態や事故歴などをよく知ってい
ますが、買い手はディーラーが教えてくれる情報に頼らざるを得ません。

(2)そこでもし買い手が「このディーラーは自分をだまして事故者を売りつける
のでは?」などと不信感を持ったとすると、事故車や欠陥車を買わないため
の自己防衛策として出来る限り安くたたこうとします。

(3)または「安いもの=何か欠陥がある」と判断して逆に高いものを選択する
かもしれません(逆選択)。

(4)こうしてディーラーの査定した価格が信じられなくなる傾向が強まってくる
と、今度はディーラーも自己防衛を図るようになります。

(5)それまでは適正価格をつけていたディーラーであっても、客がそれを信じて
くれずに値引き交渉をしてくるわけですから、ディーラー側は適正価格にある
程度上乗せした価格を出すしかない。

(6)そうすると価格が上がるので全体の価格を抑えるために質の悪い車を
「お買い得商品」として扱ったり、「キャンペーン」などで値引きをしたり
します。

(7)そうするとますます客の側は出されている価格を信用しなくなります。

(8)いろいろ調べてからしか買えなくなるので、買うのに手間と時間がかかる
ようになる。

(9)こうなると中古車市場そのものの人気がなくなり、市場として成立しなくなる。

こういう場合、えてして良心的なディーラーほど先に立ちゆかなくなります。
悪徳業者はむしろ情報の非対称性を利用して上手く立ち回るようになります。
まさに「悪貨は良貨を駆逐する」という状態です。
このように「情報の非対称性」の存在は市場そのものをゆがめる恐れがあるのです。

■「情報の非対称性」の非効率を克服するキーワードは?

ただし、「情報の非対称性」が存在する市場であってもそこから発生する非効率性
を克服することは可能です。

そのキーワードは、「信頼」です。

もし、先のディーラーがある特定のお客様たちと長期的な取引関係があったとした
ら、このディーラーは決してこのお客様を裏切るようなことはしないでしょう。
もしもいい加減な取引をして後でトラブルになった場合にはこのお客様との長い
取引関係が壊れてしまうからです。

実は、住宅・不動産の業界ではエンドユーザーの皆さんが心配するほど「情報の
非対称性」につけこんで悪さをするような業者はいません。
なぜなら、工務店や駅前不動産会社などは、基本的に地域に密着して仕事をして
いますから、もともと地元・地域での信頼こそが事業の生命線なのです。

もし、お取り引きをしていただいたお客様からクレームが出たり、評判が悪く
なったりして、地元での信頼がなくなったらもうその地域では仕事が出来なく
なってしまいます。

お客様の無知につけこんでまでして商売をする動機がそもそもないのです。
だからエンドユーザーの皆さんは地域で実績と信頼がある業者さんとは安心して商談をしていただいて大丈夫です。


ただ、業者側ももっともっときちんとわかりやすい説明ができるよう努力するべきです。

お客様が不安になるのは住宅・不動産という「ムズカシイもの」(=情報の非対称性
があるもの)を扱っている以上仕方がありません。
さらに今は情報が氾濫している時代です。お客様はどの情報を信じたらいいのか、
何が取引におけるポイントなのかがわからずに混乱しています。

だからこそ「情報の非対称性」の解消に努めないといけません。
しっかりと物件情報や提示している価格の適切さ、サービス内容の詳細などを
わかりやすく説明できるようにならないといけませんね。

市場が拡大している時にはいろいろな業者が参入してきます。
その中には情報格差を悪用して稼ごうとするような業者がいる場合もあるでしょう。
今はどの業界も市場が縮小しています。

このような時にこそ、売り手と買い手の「相互信頼」は極めて重要な社会資本に
なると思います。
「信頼」は地域の社会資本、つまりインフラ(=経済活動を支える基盤)です。
情報が氾濫している今こそ、「信頼」がますます重要な時代になってくると思います。

それでは今回は以上です。次回もお楽しみに!

【編集後記】 「民主党の評判は・・・」

民主党の評判が地に落ちていますね。
普天間基地問題をめぐる鳩山総理の行動や発言もさることながら、何といっても
政策に対するブレかたがひどいですね。
民主党は政権交代をして自民党を壊滅させたことで、もうその役割を終えたよう
にも思います。
(次の衆議院選挙まであと3年以上もありますが・・・。)