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ハッピーリッチコラム バックナンバー

第78号 『税制が持つ意義を考える-その2』
    ~所得控除はなぜ廃止されにくいのか?~
2009/10/27

私的年金をつくろう 『ハッピーリッチ・アカデミー』第78号

こんにちは!
明るく前向きに自分の財産を築いていこうと頑張るみなさんに、ハッピーな人生を
送るための情報を提供する「ハッピーリッチ・アカデミー」管理人の川瀬です。

今回は前回の続きで税制度について考えてみたいと思います。

『税制が持つ意義を考える その2』
 ~所得控除はなぜ廃止されにくいのか?~

■「扶養控除」と「配偶者控除」、廃止してもいい?

今回は、子ども手当の導入に伴い廃止が予定されている「扶養控除」と「配偶者控除」
について考えてみたいと思います。

「扶養控除」は、子供など所得のない扶養家族1人につき年間38万円を所得税の
課税対象額から差し引く制度です。
扶養の対象が子供の場合は子ども手当が新設されるわけですから問題はあまりない
でしょう。
控除から手当に変えることで低所得者の方にも不公平感がなくなるでしょうし。

一方、(まだ廃止されるかどうなるかはわかりませんが)「配偶者控除」の場合は
どうでしょうか?
「配偶者控除」は、専業主婦など一定金額以下の所得(年間38万円)しかない配偶者
がいる場合に他方の配偶者の所得から一定金額を控除できる制度です。

子ども手当とは代替性がありませんから、単なる制度の廃止です。
財源のアテと言ってもいいでしょうね。
実際、配偶者控除はずっと前から「廃止しよう!」という動きがありました。

主な理由としては、「専業主婦と働く女性との間で不公平がある」、とか
「女性の社会進出を妨げている」といった批判からです。

■世の奥さまの働き方を制限する「103万円の壁」とは?

「103万円の壁」という言葉をご存知ですか?
配偶者が働いても税金がかからず、かつ配偶者控除を適用できる収入の上限ラインが
103万円(基礎控除38万円+給与所得控除65万円)であることから、年間の収入を
103万円以内に抑えようとすることです。

「103万円の壁」があることで、働き方を調整したり、正社員ではなくパートの
ままでいいや、としたりする動きが今もあります。
これが「女性の働き方に制限を加えている」とか「女性の社会進出を阻害している!」
といった批判がなされている理由です。

税制が、配偶者の働き方に影響を与えているとしたらそれは健全ではないですね。
実際には年収が103万円を超えても、一気に所得税がドンとかかってこないように
「配偶者特別控除」という制度で緩やかに課税されるので、税制上では
「103万円の壁」は最早ないに等しいのです。でも社会保険や企業の配偶者手当などが
この基準を援用しているので、依然として所得を抑えようという意識は根強く
残っているようなんですね。

■そもそも「配偶者税額控除」とは何か?

そもそも「配偶者控除」とはどんな目的で創設されたのでしょうか?
調べてみましたらこのように書いてありました。

まずは「所得控除」からです。

『所得に対する租税の基本的考え方は、「担税力に即した課税」を行うということ
である。この「担税力」とは、「租税を負担する能力のこと」を指す。この担税力
の有無を判断する基準として有意であるのが、憲法25 条の生存権すなわち
「健康で文化的な最低限度の生活を営む権利」を保障する水準と考えられている。
このため、所得税の負担のあり方を考えるに当たっては、
「最低限度の生活を維持するために必要な部分」(いわゆる「最低生活費」)を
除いた残余に対して課されるべきであるということとなる。』
(田中康男氏論文「所得控除の今日的意義」より抜粋)

この所得収入から「最低生活費」を除く方法として最も合理的かつ簡単なのが、
「所得控除」であるとしています。
それで現在、所得控除として、「基礎控除」や「雑損控除」、「医療費控除」、
そして「配偶者控除」や「扶養控除」など全部で15種類の控除があります。
(さらに細かく分類すると30種類にもなります)

「配偶者控除」の創設についてはこうあります。

『配偶者控除は、家事労働による所得に対する貢献度、共稼ぎ世帯と夫婦の一方が
所得を得ている世帯との税負担のバランスを考慮して、扶養控除とは別に基礎控除
と同額の控除を設けて税制を配慮することが適当であるという考えで昭和36年に
創設されたものである。』

要は、専業主婦にも最低限の生活をするための費用は当然必要なわけですから、
その部分については課税しないようにしましょう、ということでわざわざ扶養控除
から分けて創設されたようです。

そう考えると・・・
「配偶者控除」を廃止するということは、専業主婦の人間として最低限の生活は
税法上もはや考慮する必要はない、ということなんでしょうか???
もしそうなら生存権を保障した憲法25条に反するのではないでしょうか???
・・・という大げさな話になりかねませんね。

■なかなか廃止されない「所得控除」

実際、どの所得控除にも「最低生活の保障」という大義があるためなかなか廃止
されません。
調べてみるとこれまで所得控除が廃止されたのは、「年少扶養控除」(平成12年)と
「配偶者特別控除(上乗せ部分)」(平成16年)、と「老年者控除」(平成17年)
の3つだけです。

いったん創設された控除はほとんど廃止されないから、新しいものが増えれば
増えるほど、どんどん税制が複雑になっていってしまうのですね。

「配偶者控除」について話を戻すと、
女性の社会進出の問題は税制だけの話ではないことは明らかなので、それを理由に
廃止するのはナンセンスだと思います。
ただ、昭和の昔とは違って、「主婦の最低生活を保障せよ!」というほど奥さんの
基本的人権が脅かされているような状況でもないでしょうから、子ども手当のような
新たな施策を実行する上で財源を作るのに何かを廃止しなければならないとなった時に
「配偶者控除を廃止する」というのはそれほど悪いアイディアとも思いません。

民主党政権の「控除から手当へ」という考え方がある限り、これまで聖域といっても
良かった所得控除はどんどん見直されていくかもしれませんね。

今回は以上です。次回もお楽しみに!

【編集後記】 「インフルエンザにご注意を!」

新型インフルエンザがここへ来てまた流行ってきていますね。
ですが、世間はそれほど緊迫感ないようです、ね
私は相変わらず新幹線や飛行機で頻繁に移動していますが、マスクをしている人は
ほとんどいません。(私もしていませんが・・・)
「それほどキケンじゃないようだし」という認識なんでしょうか?
すでに結構な数の方がお亡くなりになっています。ワクチンも全然足りなさそうです。
かからないに越したことはないので皆さまも十分にご注意を!