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ハッピーリッチコラム バックナンバー

第75号 『貸し渋り再来!?』
    ~なぜ日本の銀行はBIS規制に弱いのか?~
2009/09/15

私的年金をつくろう 『ハッピーリッチ・アカデミー』第75号

こんにちは!
明るく前向きに自分の財産を築いていこうと頑張るみなさんに、ハッピーな人生を
送るための情報を提供する「ハッピーリッチ・アカデミー」管理人の川瀬です。

新政権誕生で景気回復への期待もかかる今日この頃。
そこに冷や水をかけるような話が出ています。

『貸し渋り再来!?~なぜ日本の銀行はBIS規制に弱いのか?~』

■自己資本比率規制が12%になる?

2010年以降に向けて銀行の自己資本比率規制(BIS規制)がまた変わりそうです。
要注意ですねぇ・・・。

『銀行の自己資本規制強化 8%から引き上げへ』
「日米欧など主要国の銀行監督局は現在より厳しい自己資本規制を導入する方向で
最終調整に入った。銀行経営の健全性を高め、安定的に企業などへ資金供給できる
体制を目指す。
(中略)ただ銀行の自己資本への過度な規制は経済に悪影響を及ぼす恐れもあり、
慎重に調整を進めている。性急に規制を強化すれば銀行が資産圧縮に動いて貸し渋り
を招くという懸念も一部にある。」
(日本経済新聞09年8月29日付)

自己資本比率規制とは、銀行が貸出債権などのリスク資産に対してどのくらいの
自己資本を保有しているかを示す基準です。別名「BIS規制」といいまして世界の
銀行の共通ルールとなっています。現在はグローバル銀行で最低8%、国内銀行でも
4%以上が求められています。

■なぜ日本の銀行はBIS規制に弱いのか?

昨秋のリーマンショック以降、世界の名だたる銀行が損失処理に伴って資本が不足
して貸出余力が低下しました。
世界の主要国ではこの信用収縮の再発防止策が議論されていまして、今回の銀行資本
規制の強化はその一環のようです。

日本は選挙中で財務大臣が出席しませんでしたのであまり話題になりませんでしたが、
9月はじめのロンドンでのG20財務相・中央銀行総裁会議でもこのテーマは確認され
ましたので、もう間違いない話だろうと思います。

しかし・・・
この不況のタイミングでやりますか!?

日本の銀行にしてみれば、「またかよ!」って感じです。

いつもこのBIS規制の影響を一番受けるのは日本の銀行なんです。
なぜなら、日本の銀行って海外の銀行に比べて収益性がとても低いからです。

なぜ日本の銀行の収益性が低いかというと、
それは日本の銀行がリスクを取るのが嫌いで、高い金利の取れない(=安全な)
大企業向けの融資ばかりしているから・・・という側面もなきにしもあらずですが、
まずそもそもビジネスモデルが違うのです。

■銀行のビジネスモデルの違い 「日本は中長期、世界は短期勝負!」

日本の銀行は、融資をしたらその債券をずっと保有するのが基本です。
貸出債権は銀行の資産になります。
大きな資金を使って薄い利ザヤでじっくり稼ぐビジネスモデルと言えます。
利ザヤは取れないけど安心できる優良な大企業向けに集中して貸し出しを増やし
ます。
ひとつひとつの融資の利ザヤが薄い(2%~3%程度)から量で稼ぐしかない。
だから当然、自己資本比率は低くなってしまうのです。

一方、欧米の銀行は、貸出債権はさっさと証券化して、市場で売却して自社の資産
から外します。
小さな資金を回転させて貸出資産の売却利益を先取りするのです。
少ない資本で短期間で利益を稼ぐビジネスモデル、このいわゆる「投資銀行モデル」
で高収益を稼いできました。
このビジネスモデルがサブプライム問題でミソがつき、リーマンショックで決定的な
大打撃を食らったわけですね。

■BIS規制に翻弄され続けてきた日本経済

そもそも、「金融の自由化」だの「グルーバルスタンダード」だのと言って、世界
基準のBIS規制を初めて日本で適用したのが、1992年。
バブル景気崩壊の時期です。
不況の入り口の時に銀行が融資の蛇口を閉めたのですから、そりゃ日本経済も10年
以上失われますよ。

その次の「BIS第2次規制」が入ったのが、1997年末。
拓銀や山一証券の倒産など、日本の金融システムが死にそうになった時期ですね。
「貸し渋り」「貸しはがし」という言葉が生まれた時期でもあります。

そして、100年に一度の大不況のこの時期にまたBISの新規制ですか?・・・・。

いつまで同じことが繰り返されるのでしょう。
そのたびに必要なお金が世の中に回らなくなるのです。

ビジネスモデルが違うのに同じ基準を当てはめられるのでおかしなことになるの
です。
世界のマーケットで戦う銀行同士は同じルールでやらないといけないのはわかり
ますが、日本の中でやるときには違う基準でやってもらいたいものです。

しかし、いくら文句をタレても日本は世界金融の主導権は絶対に握れませんので、
これはもう時代の流れとして受け止めて私たちは来年以降に向けて準備と覚悟を
しておかねばならないでしょうね。

会社を経営なさっている方は新規借り入れが難しくなるかもしれません。
既存の借り入れについても突然の基準変更があるかもしれませんね。

個人の方は、住宅ローンの借り入れや不動産投資などに対する融資が厳しくなる
かもしれません。

大げさな話になりましたが、日本の銀行が気概を見せてくれることを期待するのみ
です。
「銀行さん!貸し渋らないでくださいね!」

今回は以上です。次回もお楽しみに!

【編集後記】 「もうすぐ秋ですね」

先日、住宅ローン相談会をしておりました時、お客様で相談に来られていた奥様
から「相談して良かった!」と大変喜んでいただきました。
その奥様は私より年上の方だったのですが、「川瀬さんみたいなお兄さんがいて
くれたら良かったのに!」と、おそらくホメ言葉であろう御礼をいただきました。
「私の人生にも秋が近づいてきているのだなぁ」とたそがれた次第です。