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ハッピーリッチコラム バックナンバー

第66号 『なぜ今、世の中のお金が回らないのか?』
    ~信用乗数急低下の理由とは?~
2009/05/12

私的年金をつくろう 『ハッピーリッチ・アカデミー』第66号

こんにちは!
明るく前向きに自分の財産を築いていこうと頑張るみなさんに、ハッピーな人生を
送るための情報を提供する「ハッピーリッチ・アカデミー」管理人の川瀬です。

今回は、「お金のまわり方」についてです。
ちょっと小難しいかもしれませんが、当たり前のことでもあります。
銀行の役割とあわせて理解しておきましょう!

『なぜ今、世の中のお金が回らないのか?』
〜信用乗数急低下の理由とは?〜

■「お金が回る」?・・・銀行の主要機能とは?

景気がいいとか悪いとか言われますが、その判断材料のひとつに、「世の中で
どれくらいの量のお金が回っているか」というのがあります。
「マネーサプライ」とか「マネーストック」とか呼ばれていまして、よく新聞など
にも出てきますよね。

先月の新聞にこんな記事がありました。

「信用乗数2年ぶり低水準に」
~日銀マネー、中小企業に届かず 銀行融資伸び悩み~
(4月6日付け日本経済新聞)
(以下記事抜粋)
「日銀が供給したマネーが実体経済に浸透しにくくなっている。
銀行の融資を通じてマネーがどれだけ経済に出回ったかを示す「信用乗数」は、
今年2月に2年ぶりの低水準となった。日銀は資金供給を急拡大させたが銀行の
融資は伸び悩んでおり、中小企業の資金繰りは改善していない。」

「信用乗数」とは、簡単に言うと、世の中で流通しているお金が、日銀が銀行に
供給しているお金の何倍あるかを示す指数のことです。

例えば、お金はこんな感じ(↓)で世の中で回っています。

まず、日本銀行が銀行にお金を出します
(通称:ハイパワードマネー←いわばタネ銭みたいなもの)。

銀行は、そのお金を企業などに融資します。

企業はそのお金で販売用商品を仕入れたり、工場建設の投資をしたりします。

企業が仕入れた商品や工場で作った製品を売って得た利益はまた預金になったり、
従業員へのお給料になったりします。

一方、元の仕入資金や工場建設資金などを受け取った企業もその売上金を銀行に
預金したりします。

銀行はそうして帰ってきた預金をまた企業などへ融資します。

・・・と、こうして元々のハイパワードマネーは経済流通によって何回も回って、
何倍にも膨んで行きます。
これを、銀行の一番の社会的機能である「信用創造」と言います。

この「信用創造」が大きく膨らんでいるときはお金が回っている状態、つまり「好景気」。
この倍数が少ない時はお金が回っていない状態、つまり「不景気」、と言っていい
と思います。

冒頭の新聞記事は、『今は銀行の「信用創造」が機能していないのでお金が世の中で
うまく回っていない!』と言っているわけです。

■信用乗数の推移を見てみよう!

信用乗数の推移を見るとこの間の政策と景気の動向がよくわかります。
1996年ごろには「12倍」近くあったものが、10年後の2005年には「5倍」スレスレ
まで落ち込みました。

↑この理由はわかりますか?

答えは「金融システム不安」です。
90年代後半といえば日本の銀行の信用が地に落ちていた頃ですね。

これが2006年から反転して、一気に「7倍」を超えました。
景気反転の兆しですね。
この前に行われたのが、小泉・竹中ラインがやった「金融再生プログラム」、
いわゆる不良債権処理による銀行の健全化です。
銀行が信用を回復してお金が回るようになってきたということだと思います。
この頃、株価も上がっていきましたよね。

それがここへ来てまたまた不景気になって序々に低下。
2009年2月には急低下して「6.9倍」になりました。
ついに、2年ぶりに7倍を切ってしまったわけです。

■なぜ信用乗数が低下しているのか?

今回の信用乗数急低下の原因はいくつかあります。

ひとつは、「銀行が企業に融資しない」こと。
銀行のホンネは「融資にたる企業の信用と資金需要がない」という言い分です。
ただし、ここは銀行がリスクを取ってでもお金を積極的に回せば景気は良い方向に
向かうはずなので、冒頭の記事にあるように銀行の責任は小さくないと思います。
日銀がタネ銭を回しても銀行が融資をしなければお金は滞ったままですからね。

もうひとつは、「世の中の人が預金をしなくなっている」こと。
例えばその代表的なのが、「タンス預金」です。
家計に回ったお金が銀行の預金に行かずにどこか(例えば家のタンス)に留まっている。
この「タンス預金」、今の推計では30兆円にもなるようです。
この「タンス預金」も1995年ごろには6兆円だったのが、約10年で5倍にも増えました。

お金が「タンス預金」になるのも銀行の責任と言えるでしょう。
最初のきっかけは90年代後半の銀行の信用不安でした。
さらに「ペイオフ」とか、低金利のために預金利息よりATM利用手数料の方が
高いとか・・・。
そんな理由などで、お金が、特に個人に回った後に銀行に帰ってこなくなっている
ようです。

■タンス預金は景気に悪影響?

銀行が預金を集めて、それを経済活動資金として融資に回すことで世の中の金融の
仕組みというのは成立しています。

預金がしぼめば融資もしぼむ。

銀行にとっては自らが融資しないことも、世の中から信用されないことも、
どちらも死活問題です。
今週、「地方銀行の半数は今期赤字」という記事もありました。
国を上げて銀行の信用を回復させることも今の景気回復のためには重要なことでは
ないでしょうか。

あと、皆さんへ。
タンス預金は景気に悪影響を与えます。
預金は、(潰れなさそうな)銀行に預けるようにしましょう!
家が火事になったりしたら大変ですし・・・ね。

今回は以上です。次回もお楽しみに!

【編集後記】 「民主党小沢代表辞任!」

昨日、民主党の小沢代表が党首を辞任しましたね。
私は無党派ですし小沢さんのことはそれほど好きでもないのですが、それでも
彼の「政権交代」にかける執念はすごいと思っています。
小沢さんの最終目標は、単に今回の選挙に勝つことではなくて、政権交代が自然に
行われるような成熟した民主主義社会を作ること、と自らの著書の中でも言って
います。
一つの党がずっと政権を担ってきたことの弊害が出ている今、そういう政治の
ダイナミズムは私たちも期待するところです。
どうせなら民主党はしっかり代表選挙をやって、党の政策を洗練させつつ、国民にも
アピールしてほしいですね。
これで政治もまた大きく動いていくのではないでしょうか。