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ハッピーリッチコラム バックナンバー

第58号 『失業問題の本質は何か?』 ~今こそ必要なモノとは?~
2009/01/20

私的年金をつくろう 『ハッピーリッチ・アカデミー』第58号

こんにちは!
明るく前向きに自分の財産を築いていこうと頑張るみなさんに、ハッピーな人生を
送るための情報を提供する「ハッピーリッチ・アカデミー」管理人の川瀬です。

今回は、今このテーマを取り上げずにはいられないですね。
「失業などの雇用問題」についてです。

『失業問題の本質は何か?』
〜今こそ必要なモノとは?〜

■GDPマイナス成長の不景気に・・・

1月17日付の日本経済新聞によると、
日銀は、1月16日発表の「地域経済報告」で、国内全九地域で「景気の下方修正」
を行い、「景気は悪化している」と総括したそうです。
また、同じ紙面で、リーマンショック以降急激に景気が悪化した、2008年度10月~
12月期の国内総生産(GDP)は前期比10%前後落ち込む、との民間予測も掲載し
ています。

本当に深刻な不景気になりました。
特に今、問題視されているのは「雇用問題」ですね。
「派遣切り」や「内定取り消し」などにとどまらず、大手企業から中小企業にいたる
まで雇用調整の嵐で、その対象は当然正社員にも及びつつあります。
テレビも雑誌も、企業と国の責任を問う論調が多く、「大企業は内部留保を吐き出せ!」
とか「労働者派遣法を改正せよ」などと鬼の首をとったように報道しています。
それに対して、大手企業も国もダマーってます。
世論の流れから見て形勢が悪いからか正面から意見も述べず、「ワークシェアリ
ングを検討」などとお茶を濁しているだけの状況です。

確かに、労働問題は深刻な問題であり、現実に職を失った方々は気の毒に思い
ます。本当に困っている方に対しては手厚い保護が必要かもしれません。
しかし、先日の電機・自動車労連の賃上げ要求の動きには「ここまでするか!?」
と驚きました。
「自動車労働組合連合が4,000円の賃上げ(ベースアップ)を要求する方針」
(1月16日付報道)

ここまで来ると、これはもう働く側も現状に対する危機感がないとしか言いようが
ないと思います。

■なぜ失業は起きるのか

失業問題について、昔学んだマクロ経済学の本を引っ張り出して調べてみました。
そこにはこうあります。(以下は私が簡単に要約したもの)

『国が経済成長を目指す理由のひとつは「失業問題があるから」である。
所得のない国民が多く存在することは国として大きな問題だが、経済学的に言うと、
労働需要を増やすためには景気を良くする(=GDPを増やす)しかないのである。

失業とは、「労働の需要」(仕事)よりも「労働の供給」(働き手)の方が多い場合
に発生する現象。
そう考えると、本来、労働市場が正しく機能していれば、賃金が下がって、需給
バランスの均衡点を見出すことになるから、理論的にはそもそも失業自体が存在
することがおかしいとも言える。

しかし現実には労働需給の均衡点は見つからない。
なぜなら、賃金を下げることに対する社会的抵抗感は非常に強いからである。
例えば、生活を守るための最低賃金というものがあり、また労働組合などの存在
もあって、賃金はなかなか下がらない性格のものだからである。
これを「賃金の下方硬直性」という。』

つまり、労働市場はモノの価格のような需給による調整は完全には働かないの
です。不完全な労働市場においては、景気が悪くなり、GDPがマイナス成長の中
では、労働重要は増えません。景気を良くしない限り、失業問題を解決することは
不可能なのです。
景気が悪いけど、雇用は増やせ、給料も上げろ、ということは無理があるわけです。

余談ですが、だから国は、定額給付金などではなく、経済成長分野に景気刺激を
する方向に政府支出を振り向けないといけないわけですね。

■10年前のある銀行員のお話

10年ほど前、私が銀行員だったの頃の話です。
世の中は拓銀が倒産したりして金融システム不安で、銀行は軒並み業績が悪化
していました。
そんな中、私のいた銀行で「ボーナス削減」の話がありました。
本部から労働組合の人が来て、仕事が終わってから「オルグ」と称する集りの中
で、「ボーナス削減反対」の署名をしてくださいと言われます。
同じ職場に私の2つ年上で、とても尊敬していた先輩がいたのですが、その先輩
はその署名を拒否してこう言いました。

「むしろ組合としてボーナス返上を申し入れませんか。
その代わり、経営側には経営を立て直す施策と今後の銀行としての生き残りの
戦略を示すよう求めましょう。経営側が示す戦略方針に納得できない人は早め
にやめた方がいい。でも、その経営方針に皆が納得できたなら、経営と組合が
一丸となってそこに向かって頑張って、銀行を立て直しましょう!それでまた業績
が戻ったらその時にドンとボーナスを要求しましょうよ!」

その場は一同シーン。・・・というか、シラーっとなりました。
そういう場面でそんなことを言う人はいませんし、当時はボーナスがなくなるなど
という危機感は誰も持っていませんでしたからね。
結局、その意見は軽くスルーされまして、皆が署名してその会合は終わりました。
その後、私は尊敬するその先輩と飲みに行って銀行の将来像について語りあった
ものでした。

その後は皆さんもご存じのとおり、
日本の銀行は戦略不在のままグローバル化への構造転換を図ることができず、
業績は悪化し、ボーナスはゼロになり、給与は削減され、最後は合併して名前が
変わりました。
その過程で多くの行員が職を失いました。

■問題の本質は!?今こそ必要なものは!?

今ここまで日本が産業構造的に不況になっている時に、
国が悪いとか、会社が悪いとか言っていていいのだろうかと思うのです。

経済成長がない国には仕事はなく、仕事がない国には人は住めません。

問題の本質は「今が不景気である」ということであり、それが構造的なものなら
ば、新しい産業分野を強化していかない限り解決しないのです。
にもかかわらず「景気対策が第一」と言いながら企業業績を悪化させるような
ことばかり推進するこの国のおかしさ。それをただ批判だけをして、悲壮感を
あおるマスコミ・・・。

今こそ「健全な危機感」が必要だと思うのです。
「健全な危機感」とは「前に進むパワー」のことです。
現状を正しく捉え、課題を明確にして、立ち向かうことです。
今は本当の意味で危機感がないか、もしくは「不健全な危機感」ばかりが醸成
されているように思います。マスコミは危機感をあおってばかりですが、不健全
な危機感には、展望がなく、愚痴しかなく、虚無感しか残りません。

個人個人が健全な危機感を持って、展望・ビジョンを持つことこそが大事です
よね。本質を理解することなく、現象のみに目を奪われ、浮足立つことは慎み
たいものです。

今回は以上です。次回もお楽しみに!

【編集後記】 「その後の先輩と私」

本文中に出てきた先輩は本当に立派な人で私はすごく影響を受けました。
また20代だった私に「個のリーダシップとは何か」を教えてくれました。
銀行(というか銀行業務)を本当に愛していた人で会社の愚痴を言うと怒られ
ました。「会社や上司がどうではなくて、川瀬が何ができるかを考えろ!」と。
私はこの1年後に銀行を辞めて転職しました。
銀行を愛していた先輩も「やっぱりこの銀行はダメだ・・・」と言って2年後に
辞めました。
私たちのいた銀行はその後ほどなくして国有化されました。
今、外資系の金融機関に勤める先輩は今でも昔のまま。
たまにお会いすると、「で、川瀬は何をするの?」と私に問いかけてくれています。