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ハッピーリッチコラム バックナンバー

第52号 『銀行はなぜ貸し渋りをするのか?-その1』
    ~貸し渋りの発生メカニズムとは?~
2008/10/27

私的年金をつくろう 『ハッピーリッチ・アカデミー』第52号

こんにちは!
明るく前向きに自分の財産を築いていこうと頑張るみなさんに、ハッピーな人生を
送るための情報を提供する「ハッピーリッチ・アカデミー」管理人の川瀬です。

金融危機が続いていますね。
そこで今回は、「貸し渋りについて」です。
金融機関の行動パターンを探ってみましょう。

『銀行はなぜ貸し渋りをするのか?その1』
〜貸し渋りの発生メカニズムとは?〜

「貸し渋り」や「貸しはがし」という、いやーな言葉がありますね。
健全な経営をしている(と思っている)企業に対して、銀行が融資の借り換えを
拒んだり、融資を回収にかかったりすることですね。
これは資金繰りに余裕のない中小企業にはたまらないことです。
これが今、現実に起き始めています。

なぜ銀行は貸し渋りをするのでしょうか?
今回は、貸し渋りの発生メカニズムについて見てみましょう。

■銀行の行動指標!「自己資本比率規制(BIS規制)」とは?

さて、まずは基本知識から。
「自己資本比率規制」という世界中の銀行が絶対守らなければならない国際的な
財務基準があります。
海外営業拠点がある金融機関において自己資本比率は最低でも8%(国内金融機関は4%)
は必要ですよ、というものです。
(算式:「自己資本」÷「資産(リスク・アセット)」≧8%)

これが達成できない銀行は市場から即刻退場です。
ですから銀行は、この8%(もしくは4%)以上を維持するために必死になって行動
します。
(平常時ではだいたいどこの銀行でも10%くらいはあります)

まず、この分母である「資産」(←リスク・アセットと言います)の計算の仕方を
ご説明します。

ここでいう銀行の「資産」とは、地方自治体や企業、個人などへの「貸出金」や
「ローン」、保有している国債などの「債券」や「株式」などです。

この「資産」を査定するときには、それぞれの危険度合い(リスク)に応じた評価割合
をかけて計算します。(この評価割合を「リスク・ウェイト」と言います)

例えば、国債など安全度が高い資産は、10%評価(つまり、10分の1)です。
比較的安全度の高い住宅ローンは35%評価。
株式は100%評価です。

一方、事業会社への貸出金はその企業の「信用格付」によって割合が決まります。
格付けが高い優良企業への貸出金は最低で20%評価ですが、格付けが低い企業への
貸出金などは、最大で金額の150%評価(つまり1.5倍!)になります。

危険度が低い安全資産が多い銀行は自己資本比率の分母である資産(リスク・アセット)
が小さくなりますから、自己資本比率は高くなります。
一方、危険度の高い資産が多い(リスク・アセットが大きい)銀行は、逆に自己資本比率
は低くなるわけです。

■今、銀行の資産が劣化している!

さて問題はここからです。
今、この金融危機と日本経済全体を覆う不況によって、銀行の資産が大変なことに
なっています。

まずは、株式。
株価がすごい勢いで下がっています。大手銀行クラスで日経平均株価が、およそ
8,000円程度まで下がると含み益がなくなると言われていますから、今の時点
(08年10月28日)でかなりの含み損を抱えています。

そして、債券。
サブプライムローンが含まれているような債券を持っている金融機関は日本では少ない
のですが、それでもこの金融危機で多くの債権が格下げされています。債券も格下げ
されると資産評価が下がってしまいます。

そしてなんといっても企業向けの貸出金。
企業の格付は、最新の決算書、属している業界、業歴、業態、経営者、組織などなど
で細かく査定していきます。(金融機関ごとに基準が違います)
これが、この不況で決算内容が悪化したりして、格付けが下がる企業がどんどん
増えているわけです。
また倒産などで不良債権になる貸出金も増加しています。

さて、そうなるとどうなるでしょう?

株式や債券の評価減は、市場次第ですから銀行としてやれることにはおのずと限界が
あります。
では、自己資本比率の低下を防ぐために銀行が取る一番わかりやすい行動は・・・・
格付けの低い企業への貸出を減らしていくこと、ですよね。

これが、貸し渋りが起きるメカニズムです。

■「貸し渋り」の防衛策と対策は?

貸し渋りは、銀行の資産の劣化が原因なのです。
今の金融危機で銀行の資産評価が急激に下がってきたので、資産の調整をするために
貸し渋りや貸しはがしを続けているのです。
政府は、総合経済対策の中で、「中小企業の資金繰り対策」として信用保証枠の拡大
を打ち出しています。
でも、これだけではあまり効果がないでしょうね。
銀行の貸し渋りがなくならない限り、中小企業の資金繰りは良くなりませんから。
では、この金融危機を乗り切るためにはどうしたらよいのでしょうか。

続きは次回にいたします。

(この2週間で適切な対策が出されることを期待しつつ・・・)
今回は以上です。次回もお楽しみに!

【編集後記】 「勉強しています」

今、金融危機に対処すべく世界各国で経済対策が行われていますね。
とても興味があるので新聞、TVなどをつぶさに見ながら、理解できない部分もあります。
「基礎知識が足りん!」と思ったので「経済政策」や「公共政策論」などといった本を
買って改めて経済学の勉強をしたりしています。

これがですね、面白いんですよ!

整理して近いうちにこのメルマガでフィードバックしたいと思います。
しかし、このメルマガを書くようになってから、いろんなことを良く勉強するように
なりました。
ありがたいことです。
「川瀬が勉強している!」なんて大学時代の友人が聞いたら腰を抜かすだろうと
思いますけど・・・。