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ハッピーリッチコラム バックナンバー

第93号 『実質と名目、実感に近いのはどっち?』
    ~デフレ対策がなぜ必要なのか?~
2010/05/25

私的年金をつくろう 『ハッピーリッチ・アカデミー』第93号

こんにちは!
明るく前向きに自分の財産を築いていこうと頑張るみなさんに、ハッピーな人生
を送るための情報を提供する「ハッピーリッチ・アカデミー」管理人の川瀬です。

今回は「数字の捉え方」についてです。
「名目」と「実質」の違い。

あなたは正しく理解していますか?

『実質と名目、実感に近いのはどっち?』
 ~デフレ対策がなぜ必要なのか?~

報道によると、日本経済が回復しつつあるそうです。

<GDP実質4.9%成長 1~3月年率 4期連続プラス>
(日本経済新聞2010年5月20日付夕刊)
『内閣府が20日発表した2010年1~3月期の国内総生産(GDP)の速報値は物価変動
の影響を除いた実質で前期比1.2%増、年率換算では4.9%増となった。プラス成長
は4四半期連続。日本経済の着実な回復を裏付けた。(中略)個人消費が堅調で
住宅投資も5期ぶりに伸びた。』

いや、これホントですかね。
果たして日本経済はホントに回復しているんでしょうか?

■まず・・・GDPとは?

GDPはご存じですね。
GDPとは「国内総生産」と言って、1年間で新しく作った「モノやサービス」
(=付加価値)の合計額のこと。
国の経済の大きさを測る代表的な指標です。

日本のGDPは約500兆円。
今はアメリカに次ぐ世界第2位ですが、間もなく毎年GDPがふたケタで成長
している中国に抜かれます。
GDPが年々大きくなるということは、その国は毎年経済的に成長しているということ。
逆に小さくなっているということは経済的に衰退しているということになります。
中国は今、年率10%以上の成長をずっと続けています。
かつて日本も高度経済成長期の時にはGDPがふたケタ成長していました。

それが近年はほぼゼロ成長・・・。
昨年(09年)は実質GDPで▲1.9%、一昨年(08年)は同▲3.7%でした。
日本は衰退しているということのようですね・・・。

ところがそれが、2010年の第一4半期(1月~3月)は、「1.2%」の増加なんだそう
です。
このままの調子でいけば年率換算で「4.9%」もの成長になるそうです。

「日本経済も復活!?」
・・・と思いたいところですが、どうなんでしょうか?

■次に・・・「実質GDP」と「名目GDP」の違いとは?

今回の4.9%成長は「実質GDP」です。
皆さんは「名目GDP」と「実質GDP」の違いはわかりますか?
「名目」か「実質」の違いは、物価の動きを反映させているかどうかの違いです。
「名目」とはGDP指標を集計した数字の合計です。
「実質」とは「名目」から物価の上昇率(または下落率)を反映させた数字です。
物価が上がっていれば、「名目」からマイナスします。
物価が下がっていれば、「名目」にプラスします。

例えば、1年前、集計した名目GDPが500兆円で、今年も同じく500兆円だとした場合。
この時の名目GDPの成長率は「0%」ですね。
ただこの間に物価が10%下がっていたとしたら・・・
実質は名目の「0%」にプラスした「10%」の成長ということになります。
わかりますか?
小売業で例えると、売上高が同じでも、その間の販売価格が10%下がっていたと
したら、それは販売数量が10%増加したということですね。この場合「実質」的
には10%も成長していますよ、ということです。

お給料についても同じようによく「名目」と「実質」で語られます。
今はあまり給料が増えない時代ですよね。
今のような時代は名目上の賃金上昇率は「0」(もしくはマイナス)です。
でもその間に物価が10%下がっていると、「実質賃金は10%増加している」と
言われます。
もし、皆さんが社長から「わが社の今年の給料は5%減だ。でも世間では物価が
10%も落ちているから、実質的には5%の増加だぞ。ありがたいと思え!」と
言われたらどうですか?

喜んでサイフの紐を緩めますか?

■最後に・・・問題の本質はやはり「デフレ」

物価が上がり続けている状態のことを「インフレ」と言います。
また物価が下がり続けている状態のことを「デフレ」と言いますね。

日本はこの間ずっと「デフレ」です。
つまり物価がずっと「マイナス」です。

この間、ずっと物価が下がり続けている「デフレ状態」の日本では、経済規模や
給料が「名目」では増えていなくても、それ以上に「物価下落=デフレ」が進行
しているから「実質」という統計上のデータではどんどん成長しているという場合
がありました。

これをもって、「実質的には成長しているから景気は回復しています!」と言わ
れても・・・
それって実感からいってどうでしょうか?
給料で言えば、給与明細で支給額が実際に増えていないと「景気良くなったね!」
とは普通は実感できないんじゃないでしょうか?

冒頭の新聞記事のようによく統計では実態を表すからと言って「実質」で語られる
ことがままあります。
でも私たち、一般消費者の心理からいうと、「名目」の方がわかりやすいんじゃ
ないでしょうか。

今回発表のGDP統計では「名目GDP」も「実質GDP」も同じ1.2%の増加で
した。
つまり物価上昇率がほぼ「0」だったということです。
でも決してデフレが止まったわけではなくて、今回は、野菜などの生鮮食品と石油
などの資源価格が値上がりした影響や、エコポイント見直しなどで薄型テレビと
エコカーの駆け込み需要が寄与したそうです。

これらは一時的要因であり、次の第2四半期はまた物価は下落することが予想され
ています。
まだまだデフレは解消していないのです。

実際に今回の新聞記事の下の方に小さくこんな一文がありました。

『働く人の手取り総額を示す名目雇用者報酬は前年同期比0.3%減り6期連続で
落ち込んだ。』
(日本経済新聞  2010年5月20日付 夕刊)

結局、所得が伸びない限り、消費の大幅改善、そして本当の意味での実質的な
GDPのプラス成長は見込めません。

「名目」が「実質」を下回っている状態を解消する、つまり、デフレをストップ
させない限り、本当の意味での景気回復はないと思います。

つまり何が言いたいかというと、政府には「景気回復」のためには「バラマキ」
ではなく、「デフレ対策」こそが重要だという認識を持ってもらいたいということ
です。

ちょっと長くなりましたが、今回は以上です。次回もお楽しみに!

【編集後記】 「景気対策」

今回のテーマである「景気」。
私は「デフレ対策」をしない限り景気は良くならないと思っていますが、政府は
今それどころじゃないようですね。
普天間に、口蹄疫に、ギリシャ危機。
高速道路に小沢氏お金問題、もひとつオマケに朝鮮半島危機ですよ。
お祓いしてもらった方がいいんじゃないでしょうか。鳩山さん。